2021年6月末、日経の朝ニュースでFT(FinancialTimes)記者がホワイトハウスのサキ報道官へのインタビューをやってました。
彼女のSNSメディアに対する姿勢が印象的だったので、ご紹介します。
SNSを積極活用
サキ報道官は、積極的にSNS活用派です。「インフルーエンサーへの働きかけも考える」一歩間違えば、世論操作と誤解を招く可能性もある。
前任のトランプ大統領が、過去に例を見ない投稿量を誇る大統領だったことがあるにしても、ホワイトハウスがここまでやるか、と正直驚きました。
FT記者は「決まりきった情報の発信は、あまり見られないのではないですか」という皮肉めいた質問をしたが、これに対し「私達は、注目を浴びるためのニュースを流しているわけではない。正確な情報を伝えるということを目的にしている。」
これも前任のトランプを意識しての発言だし、ホワイトハウスの流す情報がかならずしも「正確」か疑わしいところもあります。
しかし自分達の主義・主張を「他者の弁を介さずそのまま伝える」ことにホワイトハウスが力を入れていることはわかります。
「SNSの一部ではフェイクニュースがあるが、SNSは情報を提供する力があると信じている」という主旨のことを彼女はインタビューで応えてました。
面白おかしくニュースを流し、耳目を集めるのではなく、自分達の立場・意見をどうやって伝えるか、そのためにSNSは可能性があるから活用する、という姿勢です。
一貫性があってスマートだと思いました。
トップの関与
トップとはつまり米国大統領バイデン氏のこと。
このSNS投稿を、すべてサキ報道官は大統領に報告しているそうです。
当然、報道の内容や方向性は共有しているでしょうが、細かい投稿内容の事前チェックまでは行っていない模様でした。
サキ報道官がSNS等について報告した際に、大統領は「その伝え方はよかった、あそこの部分はよくなかった」などのコメントを出すそうです。つまり関心を持って見守っている。
また大統領も報道官も、極力、専門用語を使わず平易な言葉を使うように心掛けているそうです。
大統領は、スピーチで人を説得するお仕事なので、伝え方にこだわりがあるのは当然でしょうが、トップのこういう姿勢はとても大事だと思います。
SNSの究極の目的
サキ報道官は、仕事がらSNSの反応は全て見ているとうことですが、メディアによる特性もかなりあるとのことです。
例えば、Twitterは東海岸の左寄の人の意見が多数みられる、とのコメントでした。それでもTwitterを止めないのは「会話の手段だから」だそうです。
SNSの目的は、まずは情報発信ですが、知らない他者との会話がSNSの醍醐味だとすれば、将来の選挙民との「会話の手段」として活用しない手はない。
今日本でSNSを活用するのは、もっぱら個人かB2C企業で、そのB2C企業でもSNSを上手く活用できているところは少ない。
しかし、今後はB2B、B2C問わず、デジタルマーケティングの1つの大きなジャンルになることでしょう。