最近、企業の「ブランディング」はとても重要だと考えています。セミナーに行ったり本を読んでみたり勉強中です。
偶然、品川にある小さな食品機械メーカー機械の社長との素敵な出会いがありました。80を超えるご高齢にもかかわらず、日本中を飛び回っておられます。
この出会いをきっかけに、あらためて中小企業にとっての「ブランディング」の価値について考えさせられました。今日はそのことについて書きます。
「ブランディング」とは何か
「ブランディング」と言うとなんだか偉そうに聞こえます。
テレビ広告に莫大なお金をかけていて、中小企業とは無縁なものと考えている方がほとんどですが、ここで言う「ブランディング」とは「その企業らしさ」もしくは「その会社ならではのファンを作る」と言う事と思っていただければいいと思います。
社内にいる社員がファンになれば愛社精神と言う形になります。
中小企業こそ「ブランディング」が大事
これからは、中小企業こそ「ブランディング」が大事になってくると思います。
これは以下の3つの理由があります。
1)物があふれた世の中
同じような機能がいくつもあるなら、ものを選ぶ基準が何になるでしょう?自分が好きなもの、自分が「いいな」と思う会社の製品を選びませんか?
ものが売れない差別化が難しい時代だからこそ「ブランディング」と言うことが必要になってくるのです。
2)劇的なコスト低下
一昔前は「ブランディング」とは、テレビ枠を抑え、億単位の広告費を投入しなければ出来ませんでした。しかし今これは急激にコストが下がっています。
ホームページ、SNS YouTubeなど、「自社らしさ」を発信する手段は無料です。なぜこれらの手段を使わないのでしょう。
3)ユーザの変化
法人であれ、個人であれ、ネット上で製品情報を調べて比較購入して買うことが当たり前になってきています。
言い換えれば、大企業の商品も、中小企業の商品も比較検討の上では平等な土俵に乗ることができます。そこで他社とは違う差別化ができていれば有利に働くことは間違いありません。
「ブランディング」のためにできること
ウェブの業界にいると、ホームページを改良したい、製品をアピールしたいとよくご要望を受けます。
しかし、ホームページでのキーメッセージは何か、自社のUSP(ユニーク・セリング・ポイント)は何かをきちんと語れる会社さんは残念ながら稀です。
ウェブ改修やホームページのリニューアルをすると、このようにマーケティングの根本のところの考えが固まっていないことに、多くの会社様が気付かれます。
このように、キーメッセージやUSP(ユニーク・セリング・ポイント)が固まっていない会社様に対しては、これらを抽出する手法やプロセスがありますので、どうかご安心ください。
コンセプトダイヤグラムやカスタマージャーニーと言われる手法を使えばホームページ上で顧客に対してメッセージを作り上げることができます。
しかし、もう一歩強力に会社の「ブランディング」を作り上げる方法があります。
社長が語らないのはもったいない
「ブランディング」について、中小企業の経営者や社長にやっていただきたいことがあります。
自社が業界でサバイバルしてきた困難、それをどうやって乗り越えてきたかなど、自社の歴史を語ってもらいたいのです。
冒頭の品川の食品機械メーカーの社長さんのお話は、素晴らしく面白かった。
最初は製品ぺージの変更して、アピールを強めたいというご要望に伺ったのですが、その後、話の勢いが乗ってきたのでしょう、彼の過去の失敗話になりました。
社長ご自身がサラリーマンを辞め、焼肉という業界にかけてきた人生の浮沈の物語でした。うまく行った時の話ばかりではありません。
大きく沈んだ後、どうやって現在のヒット製品を開発するに至ったか、どんな思いとノウハウをこめてこの機械を開発したのか、社長の物語を聞いてよくわかりました。
こういう物語こそ「ブランディング」になると思います。過去の歴史は、他社ではマネができない価値があるものです。
この会社が作る機械はただの機械ではない。彼の思いとノウハウがこもった機械なのです。
どんな小さな会社であっても、長く続けて来られた会社さんであれば、必ずその製品を生み出すに至った物語があるはずなのです。
どの会社も景気・不景気の荒波を乗り越えてきた思いがあるはずです。
「ブランディング」をホームページで表現する前に、まず社長が自社製品やサービスにかけるべき思い、なぜこの製品・サービスをやろうと思ったのか、について本音で語ってはいかがでしょうか?
ホームページの構築手法や集客ノウハウなどはその後の話で、言わばテクニック論です。
テクニックやツールから始めると本末転倒になることが多いのです。
本当に大事なキーメッセージは何なのか、もう一度考えてみていただければと思います。
私どもでよければ、お手伝いいたしますよ。