2030年すべてが「加速」する世界の備えよ読了。
GW中の課題図書でした。
これ、最高にエキサイティングというか衝撃的というか。
読む人によってはどちらかに分かれる。中間はない。
それぐらいインパクトが強かった本です。
そして、10年後の未来(たぶん私はまだ生きている)にはデジタルマーケティングという言葉は死語になっていて(全てデジタルが当然だから)、営業の時にアナログで電話してアポ取りしてたなんて、原始時代のようで考えられない、というようになるんだろうな、と改めて実感しました。
信じられないSFのような未来
内容はほとんどSFです。技術によって今後10年で100年分の変化が加速して起きる。それは否応なく確実にやってくる、現在のテクノロジーは実はここまで進んでるんですよ、という警告のようにも聞こえる。
では現在の技術で何ができるようになっているのか、AI(人工知能)、ロボット、ネットワークとセンサー、VR,3Dプリンティング、ナノテクノロジーとバイオテクノロジー。これらが同時に融合するとどんな世界が待っているのか。
広告、教育、エンタメあたりは想像できる範囲内でしたが、未来の医療や老化防止なんてもはやSFの世界。ブレイン・コンピュータ・インターフェイスは、「マトリックス」を思い出させてくれて、正直ぞっとしてしまいました。
このまま行くとこうなる?
単なる未来予測本とも違うのはすべて、技術の裏付けがあり、実際にベンチャー投資がされていることです。ですから、ほとんどSFのようなブレイン・コンピュータ・インターフェイス等も、実際に出来ている技術で、裏付けはある。
問題はいつ、どんな形で市場にでて、私達の生活にどのようにインパクトがあるか、というところこそがポイントで、一部は既に実現されている技術もある。
「まるでSF」な話が、このままいくと、ある日突然市場にでる、ということは十分あり得ます。医療手術ロボットのダビンチが、突然市民権を得たように。
著者はこんな人
ギリシャ系アメリカ人で、NY生まれ。エンジニア、MITやハーバード大学 メディカル・スクール(医科大学院)卒業なので、最先端の医療技術だの宇宙工学をご存知の方です。人工知能が、人類の知能を追いぬくというシンギュラリティを唱えたレイ・カーツワイル氏と共同でシンギュラリティ大学を共同創設しています。根っからのエリートで技術信奉主義者です。本の帯にはイーロンマスクの盟友とありましたが、考え方はきっと近しいと思います。
楽観的すぎるのは、割り引いて読もう
著者は技術に対して、きわめて楽観的なので、本著には、ネガティブはことは一切書かれていません。ある技術が導入されたら必ず出る法律論、規制論や既存勢力からの反論や対処等は一切なし。
著者は歴史的を振り返り、新技術が市場に出ると、その市場で生まれる失業者以上の雇用が生み出されてきた、ということを根拠に、ネガティブなことは技術で十分に解決可能である、という立場ですので、そこは心得てよまなくてはいけません。
刺激が欲しい人にはオススメ
本書は、特定の専門家が専門分野を突き詰めた本ではなく、いろんな最先端技術が融合して加速すると、こんな世界は実現可能です、という示唆をくれる本で、衝撃的に面白かった。
刺激を受けたい人にはオススメ本です