ノーコードAIプラットフォーム?ホントに誰でも使えるの?

最近、ノーコードと言う言葉を聴くことが多くなりました。

ノーコード、つまりプログラミングなしでプログラムやホームページが作れるということです。

いちいち高い費用払ってエンジニアにお願いする必要がない!これは素晴らしい。

ノーコードに注目しているのは、これを使えば現場の販促やマーケティング、
社内でバラバラになったデータを集約することなどに使えるのではないかと思うからです。

ここではどのノーコードツールがいいとかどんな特徴があるのか等話は割愛します。ノーコードまたはローコードと言う言葉で検索してみてください。
山ほど記事が出てきます。こちらの記事に種類一覧が載っています。

【完全版】無料のノーコード(NoCode)開発ツール11選を紹介【もう迷わない】https://tokyofreelance.jp/free-tool-nocode/

これに加えて、「ノーコード」×「AI」というものまで登場したらしい。

ノーコードでAIが使えるプラットフォーム? なんだこれは。

ちなみにこんなサービスがありますね。
https://www.matrixflow.net/

というわけで、今回は、ノーコードやAIを一般ピープルが本当に利用できるのかについて調べてみました。

なお、こちらは2021年9月段階の情報です。

市民開発者と言う言葉

市民開発者と言う言葉も登場しました。英語ではベタにCitizen Developer。

つまりプロではない開発者でIT部門に属さないけれども、他の人が使うアプリケーションを作る人のことです。IT部門が認可しているノーコードプラットフォームなどをのツールを利用してアプリケーションを作る人たちのことです。

今まで「技術やプログラムを書けないから俺はわからない」と言う方がいましたが、もうこの言い訳は通用しなくなってしまいました。

では本当に誰でもできるものなのでしょうか。

本当に誰でもできるか?

プログラムを書かなくてもいい、では本当に誰でも市民開発者になれるものなのでしょうか。

結論から言うと多少システム知識のある方なら十分に可能性ありという感じ。しかし、まったくシステムの知識・背景がない方には正直厳しいと感じます。

ノンプログラムであろうが従来のAIの開発であろうが、基本的にやらなくてはならないステップは同じでだからです。

少し読みづらいけど、AIの一ジャンルである機械学習について従来の開発とノーコード機械学習の開発のプロセス対比があり参考になります。

ノーコードAIプラットフォームを使うべきか?その限界と好機
https://ainow.ai/2020/06/15/223550/

つまり、
1)タスクを定義
2)データを集め
3)モデルを作り
4)そのモデルを訓練
5)テストし評価
6)最終的にモデルを他の部門が使えるように展開する

この基本的な流れは従来型の開発とプラットフォームを作ろうが同じです。

まず、1)タスクの定義、2)データの収集 ここはデータサイエンティストよりもむしろ現場の仕事をよく知っている人の方が専門家です。

楽になるのは、3)と4)で、コードを書かずにプラットフォーム上で楽にやれるのは大きなメリットです。

では誰でもこのAIプラットフォームを使いこなすことができるのか?

確かにドロップ&ドラッグでプログラムを書かなくてもモデルを作り上げることができます。しかしどのモデルを、どうやって使うのかの基本的な知識は必要になります。が、何はともあれ、めちゃくちゃであっても、誰でもモデルを作れて結果を出せる。

出来上がった料理がおいしいかまずいか別として、包丁とまな板と材料さえあれば、とりあえず料理は誰でもできます。

最初は食べれない料理しかできないかもしれないけれど、やっていくうちに上手になってゆく。

これと同じで、どのツールをどうやって使うのかは慣れれば習得できるでしょう。最初は正しくない結果が出るかもしれませんが、慣れて練習すれば、段々使いこなせるようになると思います。

データサイエンティストが失業?

では、市民開発者がいればデータサイエンティストが失業するかというと全くそんな事はなさそうです。

より複雑な案件やプラットフォームで作ったモデルを展開するとか、より高度で専門的な仕事に集中できるようになります。

昨今のAI人材不足の中、データサイエンティストの方々にとってもこのような動きは朗報ではないかと思います。

日本での成功事例

日本でも数が少ないですが成功事例は出てきています。

厳密にはAIを使った事例ではないと思いますが、ローコードでの成功事例としてご紹介するのは神戸市役所です。

神戸市は昨年特別定額給付金の申請状況を確認するサービスを、日本マイクロソフトのMicrosoft Power Platformを使って、1人の職員がわずか1週間で完成させました。Microsoftは自治体を対象に6ヵ月間の無償提供しています。

ただし、この職員の方は外資系のSIer出身で、エンジニアとして社会人枠で神戸市に就職した方です。ある程度のシステムのバックグラウンドと知識のあった方で、トレーニングが要らなかった”慣れた方”だったと言えるでしょう。

ただ、このように全体を見渡して設計できる人がいれば、エンジニアを動員せずとも、わずか1週間で必要なシステムを完成させることができると言うのは素晴らしいことだと思います。