デジタル人材不足について

先日、ウェブマーケティングで相談に乗ってくれないかと言う会社さんがあり、その会社を訪問しました。

ご訪問してみると、意外なことにウェブを活用した新規事業の立ち上げに関するお話でした。しかし、やはり新規事業には困難がつきものです。

「わが社には人がいない」

今日は中小企業における新規事業と人材についての話をします。

新しい事業を始めるべき

リーマンショック以降、極端なコスト削減で日本の大企業も本当に新規事業に投資しなくなってしまいました。中小企業から大企業まで冒険をすることそのものを恐れているように見えます。

しかし、新規事業にはある一定程度の投資をするべきだと考えています。

もし新しい事業を何も始めず、現在の事業だけを継続していったら、御社は今後どうなっていくのでしょうか。

国内の市場は縮小していきます。

何もしないで現状維持と言うのは縮小を意味します。

会社が生き残っていくためにはやることが2つしかありません。

海外の市場に出るか、日本で新しい市場を探すかどちらかです。

この厳しい現実を認識している人があまりにも少ない。

現状維持のまま何とかなると思っているのですが、それは大きな間違いです。

会社が生き残るためには新しい市場を開拓しなければならないのです。

ですので、普通のウェブマーケティング支援に加えて、こういった新規事業のお手伝いは喜んでさせていただこうと思い思っています。

デジタル人材がいない

さて新規の事業を立ち上げようと思った時に、常に問題になるのは何でしょうか。

ズバリ人材です。 会社の経営陣と話ができ、かつそこそこ能力とやる気があって、デジタルのことがなんとなく判っている若い人と言う「人材」がいないのです。

ではそういった「人材」が全くいないかというとそうではありません。

多くの場合、この手の有能な「できる人」は現場におり、現場からこの方を企画部門に持ってきてしまうと、現場の売り上げが途端に落ちてしまったり、現場が回らなくなってしまうのです。

だから現場から有能な人をはずせない。

その結果、新しい事業を立ち上げる人がいないと言う悪循環に陥っているわけです。

ではどうするか。

私はリスクはあっても、優秀な人を企画部門に持ってくるべきだと思っています。

理由は2つあります。

1つは「できる人」に依存していた現場の次の世代が育つと言うことです。2・6・2の法則は普遍で、現場でトップの優秀な20%がいなくなると、残りの60%の普通の人々の中からまた優秀な人が育ってきます。

どうやって「できる人」のノウハウを、次の方に移すかと言うところは議論はありますが、何とかして現場で別の方を育てた方が、会社全体のためになります。

2つ目は、その新規事業の目的を最もよく知っている人が企画した方が、その事業の成功確率が高まるからです。

例えば、採用を成功させるための新しい企画を考えるのであれば、採用担当者が適任でしょうし、新規顧客を集めるためのポータルサイトを作りたいと言うのであれば、顧客開拓経験のある営業担当者が適任です。

彼らは、採用時にまたはお客様に、どういう言葉が響くのか、何が効果的なのかが、肌感覚で判っているからです。言葉で表現できない暗黙知というのが蓄積されているからです。

デジタルで新規事業と言うと、技術に詳しい男性若い社員をまず担当者にして、営業部門や採用担当者等の現場に詳しい人をサポートに当てると言うパターンが見受けられますが、これは逆だと思います。

技術やデジタルマーケティング、こういった専門知識は外部から買うことができるノウハウです。

しかし御社の中で行われている業務、御社での営業開拓、御社での採用などは、御社の中の人が1番の専門家であるはずです。

御社で新しい事業を始める場合には、その事業をやってきた人を新規事業の中核に据えてください。

チームで動く

どの会社でも、完璧な「デジタル人材」など、簡単には見つかりません。
ですから、チームで動くしかありません。

先ほども書きましたが専門的な知識やノウハウは外部から買うことができます。

社内もしくは外部の専門人材、社内の中核人材と関係部署の人、経営陣を合わせて新しい事業担当チームを作ると言うのが1つのパターンかなと思います。

簡単にはきっと行かないでしょうが、こちらの会社の新規事業がうまくいくように祈っています。