SNSか何かの広告にひっかかり無料セミナーをきっかけにして読んだ本。
昔からこういう地道なマーケティング活動をしている人がおられるとは知らず。
著者は感性工学学会員の小阪裕司氏。ワクワク系などというわけのわからないネーミングで最初はなんだこれは?と思いましたが、いい意味で裏切ってくれました。
違う視点を与えてくれた気付きの多い本でした。
顧客が感動しないとダメ、ということ
今の時代、顧客の心を動かすというか、人の気持ちを豊にするということがないと、顧客はつきあってくれない、
ということがわかることが、この本の最大の収穫でした。
要するにお金ではない。
データ分析やコスト削減では生み出せない価値があるのだ、
直観的に「愉しい」「面白い」「美しい」と思ってくれなければいけない。
気持ちが動いて初めて、行動が変わる。
お金で動く=価格比較されてしまったら、安い方が勝ち、価格競争と利益圧迫が待っている。
見えない独自の価値の方が大事、ということを著者は力説している。
全ての産業が教育産業に
これは大変示唆に富む指摘で、その通りだと思った。
コロナ禍で、多くの人が気付いてしまった。大事なものは「モノ」ではない。最低限のモノをネットで買えば生きていける。
「心が豊かになる体験」を買うのだ。
モノに付随した情報こそが重要になる。
モノに対する付加価値を求める人が多くなれば、モノの「価値を教育する」ことの意味は大きくなる。
著者は感性工学の博士
人は何によって行動を変えるのか。お金か、感動か、ルールか。
自分達が提供できる価値は何か。
自主的に人の行動を変えるのは、「感動」であり「心を動かす」ことだという
本質を衝いた本でした。
このノウハウが成功するかは私自身は確認していません。
ですが最近、デジタルやアナリティクスを扱っている自分が言うのもなんですが、数字で計測できるものが全てではない、という気がしています
フローではなくストックを意識し、「心が豊かになる」商品・サービスを提供し、お客さんを「顧客化」し、ファンダムを育ててゆく」
「顧客消滅」時代のマーケティング」
顧客リストをストックして育ててゆくという発想は、マーケティングオートメーションと同じですが、「育てる」ところにこそ感性とか、遊び心が大事な気がしています。