2022年9月 Googleコアアップデート

SEO集客を試みている企業様で自社ブログ記事を幾つ書いても、Googleの検索エンジンの1ページ目に表示されない、とお悩みの方は多いのではないでしょうか?

そこで、検索エンジンの最近の動向について知りたいご担当者の方にむけて、
この9月前後に立て続けに起きたGoogleのアルゴリズムアップデートについてお話をします。

お客様の中には影響が出ているページもありました。

アルゴリズムに一喜一憂する必要もないでしょうが、アルゴリズムの大きな変化を知ることによって、間違った方向へ無駄な努力をしなくて済みます。

そして自社の持っているリソースを正しい方向へ振り向けることができます。

Googleが「検索」という体験をどのように変えゆこうとしているのか、イメージしていただければ幸いです。

最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

最近のGoogle検索結果ページの変化

ほぼ毎日使っているgoogleですが、最近検索結果の表示が変わっていることにお気づきになりましたか? 

検索したことに対する答が最上部に表示されたり、画像や動画が表示されるようになりました。検索の答がドンピシャで出てきたときには、検索結果ページをクリックする必要さえありません。これは「ゼロクリック検索」と呼ばれますが、今後増えてゆくでしょう。

このように、Googleは大きく姿やあり方を変えています。そして、Google内部で動いているのは機械学習だったり、人口知能だったりします。一昔前の単純な「キーワード」を拾ってきて表示するだけのものではなくなっています。

具体的にお話しましょう。「とは検索」をやってみると、以前との検索結果との違いがわかると思います。たとえば、「プロキシサーバ とは」検索すると、少し下がった位置に「他の人はこちらも質問」というのがよく表示されています。

たまに、検索結果の最上部に目立つ枠囲いでドンピシャリの説明が表示されることもあります。これは強調スニペットと呼ばれますが、表示する時、しない時はGoogle側が決めています。

同じ検索キーワードでもスマホとPCでは検索結果が異なる

つぎに「脱毛器」というキーワードで検索してみてください。検索結果が全く異なっています。画像がも動画も多く、「人気商品」「ブランドで絞り込み」というのまで表示されます。

これは何を意味しているかと言うと、Google側が入力されたキーワードによって、ユーザの意図や目的を推定し、検索結果の表示を変えているということです。

「~とは」と言う検索キーワードは、何かの調べものをしている状態で使う言葉です。これに対し、「脱毛器」と言うキーワードは、「脱毛器」という商品に関心がある人が使う言葉だろうと、Googleが推測しているわけです。そのため検索結果ページも、動画をいれたり、ECサイトを表示したり、ブランドで絞り込みまで表示してくるわけです。

今後は、より細かく検索している利用者に併せて検索結果を変えてくるのではないかと思います。

 そして機械学習によって、学習が強化されてゆきます。ユーザの意図によって結果ページを出し分ける技術はますます精緻になり、これは広告にも応用されることでしょう。

「Google 検索を支える AI 技術」はこちらに詳しく乗っています。

Googleは昔の素朴な検索エンジンではありません。

2022年9月のアルゴリズムアップデートの概要

このような背景を抑えつつ、今年9月から連続して起きているアップデートを見てみましょう。

  1. 2022年 9月 September 2022 Core Update  
  2. 2022年 秋~冬? Helpful Content Update (ヘルプフル コンテンツ アップデート)
  3. 2022年 秋~冬?  Product Reviews UpdateGoogle(プロダクト レビュー アップデート)

英語圏では、ヘルプフル コンテンツ アップデートが先に8月実施、その次にコアアップデート、その後 プロダクト レビュー アップデートが慌ただしく実施されました。

日本では3つ目のプロダクト レビュー アップデートは実施されない模様です。そして2番目のヘルプフル コンテンツ アップデートはまだ実施されていません。(2022年10月現在)

このようなアップデートを通じて、何がどのように変わったのか、詳しく見ていきましょう。

1)September 2022 Core Update

一言で言えば、検索エンジン中心のサイトよりも、「People-first」つまり人間が読んで役立つコンテンツになっているかどうか、ということに力点が置かれています。

Googleの公式ドキュメントを見ても、ユーザ中心の記事・コンテンツ制作に集中すること、そして検索エンジンからの流入を増やすためだけに記事やコンテンツを増やすことを避けること、と繰り返し述べられています。

Google のコア アップデートについてサイト所有者が知っておくべきこと

少し古いですが、Googleがどんなコンテンツを高評価するかのチェックリストとして今でも使えます。

検索エンジンに好かれるためだけに記事を長くしたりしないこと、誰が見ても「あたりまえ」のことや、要約記事でなく、独自の視点や経験に基づいたことが書かれているものを高く評価する、ということです。

逆に言えば、他人のコピーや書き換え、付加価値のないもの、オリジナリティが乏しいもの多数のクリエイターへの外部委託によって大量制作されていたりするコンテンツを、Googleはこれからも評価しないでしょう。

2) ヘルプフル コンテンツ アップデート

コアアップデートに比べて、もし日本で適用されたら、こちらの方が影響が大きいと思われます。

ヘルプフル コンテンツ アップデートは、訪問者に満足感を与えているコンテンツを高く評価し、訪問者の期待に応えていないコンテンツとの差別化を図ることを目的としています。

Google 検索セントラル ブログ 2022 年 8 月 18 日(木曜日)

最期の差別化というところがポイントです。このアップデートは、「有用でないコンテンツ」が沢山あるサイトについては、掲載順位を下げますよ、と警告しています。

Google のヘルプフル コンテンツ アップデートについてクリエイターが知っておくべきこと

ここで、注目したいのは、Googleがコンテンツそのものの内容ではなく、誰に向けて書かれたものか、つまり利用者について言及していることです。

特定のユーザー層がすでに存在しているか、想定されており、その人たちがビジネスまたはサイトを直接訪問した際に、コンテンツを有用だと感じてくれると思いますか。

Google 検索セントラル ブログ 2022 年 8 月 18 日(木曜日)

ここでもしつこく、「検索エンジン第一のコンテンツを作成しないように」「ユーザ第一のコンテンツ」を作ることだ王道だと繰り返されています。

では「有用でないコンテンツ」とはどんなものでしょうか?

  • 検索結果に表示されることを期待して、幅広く網羅的に沢山書かれたコンテンツ
  • 主に他の人の意見をサマリーして作ったページ
  • サイトの利用者向けでなく、ただ話題になっているという理由だけで書かれた記事
  • コンテンツを読み終わっても、結局再検索しないと問題が解決しないと感じる記事
  • Google が優先する文字数があるということで、無理に特定の文字数に達するように書かれた記事
  • 実際の経験がないのに流入を稼ぐためだけにニッチなトピックを扱うことにした記事

こういった記事は、検索結果の表示順位が下がる可能性があります。
このアップデートで怖いのは「有用でないページ」だけをランク外に落とすのではなく、サイト全体で評価が下げられてしまうことです。

しかし、オリジナル記事をコツコツ書き溜めてきたサイトには、影響は少ないでしょう。経験や独自の観点をコンテンツにすることは、今後益々重要になるでしょう。

3)プロダクト レビュー アップデート

このアップデート対象は、商品の内容を具体的に紹介し購入を促すことを目的とする「商品レビューサイト」です。アフィリエイトブログ・Webサイトに影響が出る可能性があります。

日本のサイトには適用されていません。が、今後日本でも適用される可能性があるので要注意です。

  • 商品の利用マニュアルをコピー&ペーストしただけのコラムページ
  • 実際に商品を利用しないで書かれた商品レビュー記事

などは、ユーザーにとって「役に立たない」つまり品質が低いサイトとしてGoogleに評価されてしまいます。このような記事が多いサイトは、サイト全体の検索順位が下げられる可能性があります。

自社の顧客・見込客に本当に役立つコンテンツになっていますか?

1)から3)を通して言えることは、検索エンジンに好かれようとするサイトをつくるよりも、貴方の顧客が本当に役にたって喜んでくれるコンテンツを作ってください、ということに尽きます。

集客目当て制作したオリジナリティのないまとめサイト、経験に裏打ちされないアフィリエイトサイト等は、今後淘汰されてゆく可能性が大です。

来訪者ががっかりしないようにサイトの信頼性を高めること、EAT、つまりExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、 Trustworthiness(信頼性)ということはひき続き重要視されます。

専門的で役立つ内容、その人でなければ書けない経験や事例はこれからはより注目されるようになります。

Google検索の今後

3つのアップデートを通じて、Googleがコピペサイトや内容の薄いコンテンツのランキングを下げたいということがわかります。

全ては検索という「体験価値」を高めるためです。ひいてはGoogeの広告価値を高めることになるからです。

Googleは、言葉によるマッチングを行うサービスでもあります。その精度を上げようとした場合、似たような内容のサイトや、再検索しなくては答に辿りつけないサイトを表示しても、利用者の満足度が下がるだけです。

最初に、検索エンジンがユーザの意図や背景を推測して、検索結果を表示している話をしました。

これは全く個人の意見なのですが、特定のキーワードを使う利用者グループを、特定の有用なページに誘導する、というような方向へ、Googleの検索サービスが変わってゆくのではないかと思います。それが無料であれ、有料広告であれ、マッチングという本質は同じではないかと思います。

ですので、自社の顧客もしくは想定している顧客にとって、最も有用だと思われる記事を地道にオリジナルで作ってゆくことがこれまで以上に大切になるような気がします。

まとめ

いかがでしたでしょうか。調べてみて、今年のアップデートはかなり大きな意味もつことがあらためてよくわかりました。

もし自社でこれまでアフィリエイトサイトやブログサイト等を運営されておられて、コピペが多く、「有用でない」とみなされるページがあった場合、コンテンツに独自な部分を追加したりする等対策が必要になります。

逆にこれまで独自記事や独自取材で頑張ってきたサイトについては、特に心配することはないでしょう。むしろ追い風になります。

無駄なコンテンツを増やすことは止め、”王道”な方向へリソースを振り向けてください。

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