自社にあったMAツールの選び方|メーカーが言わない本当の話

MAを導入したいけど、どれを選んだらわからないというお悩みの方は多いのではないでしょうか。そんな方に向けて、自社に最適なMAを選べる選定チェックポイントを7つまとめました。

  • MAツールなんてどれも同じに見える
  • 結局何を選んだらいいんかわからない
  • 上司を説得できる材料がない

そんなお悩みを抱えるあなたも、本記事で紹介するチェックポイントで整理すれが、頭が整理でき、かつ社内の説得資料ができあがります。

私も長年いろんなツール比較選定をやってきましたが、これらの項目は外さず比較検討します。

記事の前半では、チェックポイントの前提となるべき「事前にやっておくべきこと後半は「選定のチェックポイント」の2段階になります。 好きなところから読む、というよりも順番に読んでいってくださいませ。

1.MAを導入する前にやっておくべきこと

大前提として、以下の2つはやっておくべきです

  1.  導入目的を明確にする
  2.  カスタマージャーニーをつくる

それぞれの理由をお話します

1 導入目的

導入目的とは、「何のために使うのか」を決めるということです。
あたりまえのことですが「いろんなシーン・目的に使える」というだけで導入するのは危険です

導入目的を明確にすると 、MA の使い方を絞り込むことができます。
具体的に言いましょう。B2Cに使うのか、B2Bにつかうのか。
MAを新規顧客獲得に使うのか、それとも既存のお客様へのサービス提供に使うのか。こういった違いだけで MA に要求される機能は大きく違ってきます。

では MAの使い方を絞り込みするのはどうやって決めたらいいのでしょう?
これに役立つのがカスタマージャーニーです

2 カスタマージャーニーをつくる

カスタマージャーニーは顧客と自社との接点を考えるためのツールです。
例えば新規の顧客開拓を考えてます。最初に顧客と接点が生まれるのはどこか、どの段階からを見込み客とみなすのか、次に見込み客となった顧客とどのように対話していくのかといったことを考えることができます

これを最初に作っておくとどのシーンで MA を使えば最も有効かが整理できます

逆にカスタマージャーニーをつくっておかないといざ、顧客接点のどの段階でMAを使うのか、その時に必要な機能は一体何なのか、最低限必要な機能が洗い出せなくなります。

ですのでくどいですが、MA の導入の前に目的を決めること、そしてその前にカスタマージャーニーを作っておくというのが理想です

2. 自社に合うMAの選定ポイント

 さて前提条件として目的が明確でカスタマージャーニーも作っておいた会社があるとします。MA 選定のポイントをこれからご説明します。

1 機能

目的・自社のカスタマージャーニーを実現するにはどんな機能が、最低限必要なのか、そしてその機能を持った MA はどれかということです。

メーカー側は機能を沢山つけて売りたいわけですから、ほんとに必要で重要な機能はどれか、までは教えてはくれません。

いくら高機能でも使わない機能がたくさんついていても仕方がありません。高機能ということは概して使いにくいか料金が高くなりがちです。

逆に最低限ついていなければ困る機能というのは必ずあります。

使う目的がはっきりしていれば、最低限ないと困る機能も絞り込めます。そこを見極めてください

2 想定規模

想定規模とは利用する上でのスケール感です。スケール感とはその MA がどれくらいの人数の人に対して何度くらいメールを送信するのか、あるいはどのくらいのデータが今後そのMA内で蓄積されそうなのかその規模感のことを言います。

ざっくりとでいいので計算してみてください。

例えばすでにお客様のリストが1万件あったとしましょう。1万件のユーザーにメールを月に何回ぐらい送信するのか、と仮に計算します。またそのユーザーに月2回メール送信をした結果、1年間でどのくらいのデータが溜まるのかということです。

これが MA を選ぶ時の基礎的な規模感の指標になります。この規模感の指標は次の料金の想定に役立ちます。

繰り返して言いますが、このざっくり計算をするためにはやはり目的が大事になります。新規の顧客に対して認知をあげたいのか、絞り込んだ既存の顧客に対してターゲティングしてメールを送るのかで、送信の頻度およびボリュームはかなり変わってきます。

3 料金

 これは一番わかりやすい指標です。具体的にその MA を使った場合月々どれくらいかかるのかということをシュミレーションします。

費用感のシュミレーションの前提は、2番の想定規模と一番の機能です。

後になってそれはオプションで、追加費用が要ります、ということもよくあるので、メーカーに具体的なシーンを説明して、費用の有無を調べてください。

4 拡張性

ここでいう拡張性というのは MA が他のツールと接続して使えるかということです。

具体的に想定されるのは MA の場合はまず CRM (顧客管理ツール)または SFA(営業自動化ツール)だと思います。

この二つのツールで、もしいま自社内で使っているものがあるとすればそのツールと情報を上手くやり取りができるかどうか、その手段を持っているかどうかということを確認してください。

簡単なプラグインもしくは非常に便利な外部ツールが一般的に出回っていればポイントは高いです。仮に自社開発して作り込まなければならないとしても外部に API を公開しているかどうかというところも確認が必要です。

もし開発が必要になると追加費用がかかる上に時間や手間がかかります。確認すべき大事なポイントです。

5 セキュリティ及び個人情報対応

セキュリティというのはその MA のサービスとして、セキュリティ対策がどこまでしっかりしているのかということです。

目安は外部からのオーソリティに頼るやり方が一般的ですので、まずそこを確認してください。具体的には サービスを提供している会社が、ISMS もしくは P マークなどの公的認証を受けているか、過去に個人情報漏洩などの事故が起きていないかなどです。

会社のホームページなどを見て個人情報の監査などをしっかりしているかどうかというのも見るべきポイントです。

もう一つの個人情報対応と敢えて書いてあるのは個人情報保護法が今年から非常に厳しくなっているからです。

情報の提供者であるユーザーがもし自分の個人情報を消去してくれという要望が来た場合、この希望者の個人情報を削除しなければならなくなりました。

MA についても例外ではありません。利用者Aから希望があった場合、該当する利用者Aの個人情報及び関連情報を全て削除するという機能が付いているかどうかです。こちらも見極めた方がいいポイントです。

6 サポート体制

MA の操作が分からないことがあった場合、気軽に尋ねることができるサポートが充実しているかどうかということです。

電話サポートもしくはそれに類するものがあれば得点は高くなります。

海外の製品の場合は頼りになる代理店がいるかどうかというところも大きなポイントです。

7 市場シェア

意外に思われるかもしれませんが市場シェアも見ておくべきポイントです。

その理由は、開発が今後継続して安定したサービスが提供してもらえるかどうかという根本的な所が関わってくるからです。

今世界中に MA というツールは何と400以上あるといわれています。日本においても MA ツールは大から小まで数限りなくあります。

これはどういうことかと言うと、小さな会社の MA ツールというのはその会社が事業を売却・撤退したりする場合サポートがなくなる、もしくは製品の開発が遅れたりするリスクがあるということです。

海外の大手の MA の場合はまずこういったリスクはありません

以上1から7まで MA を選択するときのポイントをお話いたしました。

最重要なポイントは1番、重要度が低いのは7です。

ですが、ほぼ1234ぐらいまでで大まかな MA の絞り込みはできるのではないかと思います。

3. まとめ

MA を導入する前提の条件と具体的に MA を選定するときに見るべきポイントをお話しいたしました

1から7のポイントを総合して自社に合うものを選んで入っていただければいいかと思います。

最後にひとつだけ追加いたしますと1から7を総合した場合、自社にぴったり合うものがない、ということも、大いにあり得ることです。

この場合、ぴったり合うものがないから導入するのを止めるというのではなく、むしろ100点満点ではないけれども妥協して小規模でテスト的に使い始めた方がいいというのが私のアドバイスです。

まず最初に試してみて、本格的にやるんだったら次に腰を据えて考えるという考え方です。

テスト導入の場合、2の規模、4の拡張性、7番の市場シェアは、あまり重視する必要はないかなという気は致します

小さい規模でも始めた方がよい、という理由は、 MA というのは使いこなしてこそ価値が出てくるものだからです。使いこなしていくうちに MA の癖や勘所も見えますし、自社のスキルも上がってきます。

進化の早い業界ですので、まず100点ではないにしろ小さくスタートし、自社にノウハウを貯め、良いツールができたらそこで乗り換えればいいというだけのことです。

ですのでまずは走り出してみるということをお勧めします。

昔私が作った MA 比較表があります。もしご興味が御座いましたらお問合せください。昔のものでよろしければ差し上げます