企業のTwitterの活用について|デメリットとその克服法

以前企業のSNS活用について書きました。今回はその続きで、Twitterの企業活用の可能性についてです。

Twitterはいまやアカウント4500万人(2022年1月現在)、日本ではほぼ2人に1名はTwitterアカウントを持っている巨大SNSプラットフォームです。

トランプ大統領のおかげで、マイナスイメージもありますが、利用者層が20代中心で若い層であることも特徴です。また古くからのTwitter利用者は、「情報を集めるツール」として活用しています。

しかし、Twitterをビジネスに利用している会社様は少数派です。B2Bの場合、Twitterのみならず、LINEもFaceBookもやっていないところがほとんどです。

なぜ、企業でTwitter活用が進まないのか、今日はそのメリット・デメリットを検討して、Twitter運用のデメリットをどうやって克服するかについてお伝えできたらと思います

Twitterを始めるメリット

  1.  業界の影響力のある人物と直接知り合える
  2.  その人物を通じて自社の認知を高めることができる
  3.  自社の評判が客観的にわかる

1 業界の影響力のある人物と直接知り合える

     どの業種・業界であっても、その道の権威、若手研究者、注目の会社等はあります。いわゆる「業界の有名人」です。

 最近、「業界の有名人」はTwitterをやっていることが多くなりました。企業として担当者を探して正面からアポとって訪問するのが難しいこれらの「業界の有名人」もTwitterならば直接アプローチすることはできます。

 そして礼儀正しく失礼がないように接すれば、直接やりとりすることも可能になります。

2 自社の認知度を高めることができる

かれらは業界の「インフルーエンサー」です「業界の有名人」の方と直接やりとりして、自社製品の感想を教えてもらったり評価してもらえたらどうでしょう?

上手にやれば「インフルーエンサー」経由で多くの方に自社の製品をまず知ってもらうことができます。

3 自社の評判が客観的にわかる

 Twitterでは、膨大な書き込み情報から自社もしくは自社製品の評判をかなり客観的に把握することができます。

「エゴサーチ」と言いますが、Twitterで自社名を検索すると、自社についてTwitterでつぶやかれている本音が見えます。意外な代理店や取引先の方が応援してくれていたりするのも判ります。

 自社製品へエンドユーザがどう思っているかの本音・クレーム等も見えるかもしれません。これをサポートに応用することもできます。

 Twitterで「お困りですか?お手伝いします」とフォローすることもできます。これは一石二鳥の作戦です。第一に利用者には感激してもらえます。つぶやいただけで、助けてもらえる。少なくとも不愉快になる人はいないでしょう。第二にクレームが大きくなる前に火消ができます。

営業や広報、3~4は顧客サポートのお仕事の本質とかなり重複するのではないでしょうか?

自社の認知度を上げる、製品名を覚えてもらって製品を有名な人から広めてもらう。利用者の声を直接聞く。営業や広報、顧客サポートのお仕事の本質とかなりかぶります。

これをリアルではなく、デジタル上で直接やりとりできるのがTwitterという場です。Twitterがきっかけで知り合いになり、リアルのアポが取りやすくなったり、実際にお会いした時に話が弾むというのはよくある話です。

Twitterを始めるデメリット

Twitterを始めるメリットが判ったとしても、リスクやデメリットを見過ごすことはできません。Twitter運用のリスクを以下のようなものだと思います。

  1.  情報漏洩リスク
  2.  運用に手間
  3.  売上という具体的成果からは遠い

1 情報漏洩リスク

これが最も企業が恐れるところではないでしょうか。

社内での機密情報、社内秘の人事情報が外部流出…など心配し始めたらきりがありません。

2 運用の手間

ただでさえ展示会やブログの更新に忙しいのに、このTwitterにさらに人手をかけられない。限られたリソースを避けない、というお声もよく伺います。

3 売上という具体的成果からは遠い

Twitterやっても直接「売上」には結びつかないでしょ?というのもよく聞くお話です。

Twitterに限らず、SNSを始めても、即効で売上実績にはなりにくいのは事実です。

デメリットの回避方法

SNSを始める際のデメリットを放置するわけにはいきません。ではどうやってTwitterの運用リスクを回避するのかについて考えてみます。

1 情報漏洩リスク

これは、社内での運用ルールを決めることで回避できます。

何を投稿するべきか、という内容の縛りではなく、何をつぶやいたらいけないかのネガティブリストをしっかり決めることです。

担当者に何をやってはいけないかの意識を徹底してもってもらう。その上で好きなようにアカウントを運用してもらいます。

よく情報漏洩リスクを回避するために、投稿を公開する前に上司に確認、という会社もありますが、あそこまでやる必要はないと考えます。上司に確認が必要な場合でも、大まかな方向性をあわせておくぐらいが妥当ではないでしょうか?

というのはTwitterを始めとするSNSは、あくまでも「個人」が単位のメディアです。担当者の色「個性」の色が出ないと、面白くないし続かない。

ただ上司は放置しておけばよいというのではなく、投稿を必ずすべて見守りましょう。万一これは不味い、という投稿があったら、すぐに削除なり対応をとることができます。

そして、必ず投稿について、良かった点や工夫すべき点をフィードバックしましょう。

2 運用の手間

投稿の頻度も大事です。これも運用ルールで決めておくべきことです。

これでいつでも投稿しないといけないという心理的負担を防げます。

またTwitterの場合はつながった方から連絡や反応が入るようになったら大成功ですが、これを放置するのは一番もったいない。

直接やりとり、会話ができることがTwitterの醍醐味ですので、すぐに返事できない場合の回答も含めてある程度の想定質問と回答を考えておきます。

3 売上という具体的成果からは遠い

これは、残念ながらその通りです。

Twitterを始めてもすぐに売上という形にはなりません。しかし、継続することで、ジワジワと認知度を上げ有力な自社メディアに成長します。1~2年後にはファンが増え、投稿1つでYouTube動画やブログへ誘導するということができるようになります。

まとめ

いかがでしょうか。Twitterは特徴のあるメディアで、拡散力が高く、まだ自社のことを認知していない人に対して、こちらから働きかけて認知度をアップすることができます。

また、他のメディアとの相性がよい。ブログやYouTubeへ誘導し、そこで自社の見込客になってもらうようにすることも可能です。

TwitterだけでなくSNSで上手くゆかない会社が多いのは、発信主体が「会社」ではなく、「個人」メディアであることを理解されていないからだと思います。

「個人」が会社代表のような形で投稿するのを嫌う雰囲気もありますが、リアル営業のクロージング、あれはまさに「個人」が「会社」を代表して発言しています。

ですから、デジタルのSNS担当者が「個人」で「会社」の発信するのとそれほど違いはないと思います。

Twitterは、外から聞いて理解したのと、実際にやってみるのとでは相当な落差があります。

アカウントは無料で簡単に解説できるので、一度社内でアカウントを作ってどんなものであるかを試してほしいです。

そして、SNS=デマ・情報漏洩リスクというマイナス面ばかりではなく、SNSの可能性を少しでも感じていただけたらと思います。