SEO対策最新情報「ユーザに役立つコンテンツ」づくりへの3つのヒント

今日は運営人上尾です。

最近のSEOは何か変わって来ているのではないか、疑問に思われていませんか?先日、昨年12月からオーガニック検索からの流入が、一機に右肩下がりに落ちたサイトのページビュー時系列チャートを見ました。最近に入って検索流入の数字が変わった、とお悩みの方も多いと思います。

ここ数年、Googleはコンテンツファースト、ユーザの役に経つコンテンツをつくれ、という主張の一点張りです。

気になる動きとして、今年の5月以降、Google はランキングシステムのアップデートを繰り返しています。

これらのアルゴリズムの目的は、利用者に最も役に立つ情報を、検索結果上位に表示すること。つまり、検索体験そのものを「素晴らしい」と感じてもらうことにあります。

皆様もお気づきだと思いますが、最近の検索結果ページのレイアウトも変わってきています。

Google検索セントラル Google 検索の視覚要素ギャラリーより抜粋

動画のサムネイルや商品の画像のサムネイル、 FAQの質問までも原作の結果の1ページ目に表示されるようになっています。

ユーザファーストのコンテンツを作ろうと言っているGoogleの方向性も変わらないのですがでは、 本当にユーザーに役立つコンテンツとはどのようなものなのでしょうか?事業会社の担当者は、SEO の検索表示結果の順位を上げるために具体的にどうすればいいでしょうか。

 SEOオタクのような、アルゴリズムを全て理解して実践することは、事業会社のWeb 担当者にとっては非現実的です。Googleの言う「ユーザに役にたつコンテンツ」とは何なのか?

最近おや?と思う発見が3つあったので、ご紹介したいと思います。

小手先のコンテンツの書き方やテクニックというものではありません。今回私も調べてみてGoogleが、どのようなコンテンツを「ユーザの役に立つコンテンツ」と定義しているのか、新ためて再認識することができました。

皆様のコンテンツづくり の方針にお役に立てば幸いです。

権威性、信頼性、「誰が」言っているか?

同じコンテンツの内容であっても、それは「誰が発した言葉なのか」「誰が入っているのか」について Google はとても重要視しています。

それがよく分かるのは、マイナーなキーワードの場合、学者の論文が1位表示されることがよく起きるようになりました。単純な記事ではなく特定の学者が書いた論文集の PDF が検索結果表示順位1位を取るということが起きています。

 論文なので、当然読みづらいし、PDFで張り付けてあるだけです。が、専門家の言葉ばかりでいかに読みにくかろうが、学者の書いた論文を一位表示するということで、権威や信頼性への比重が高くなっていると思います。

例えば「災害対策 取り組み」というキーワードで検索すると、2023年1月現在学術記事が一位表示されます。次に政府系のサイトが並びます。

これは現在の検索というものに対する強烈な反動かもしれません。

「読書 おすすめ 2022」と検索すれば、おすすめ本、おすすめブックまとめがズラリと並び、結局どれをクリックしてよいかわからず、結局1ページ1ページクリックしないといけない、という状態へのアンチテーゼです。

特にオープン系の検索キーワード、つまり回答が一意に決まらないタイプのキーワードで、この傾向が強い気がします。

検索コンテンツ以外での情報発信を重視

ではその人が本当に専門家なのかを、検索エンジンはどこで判断するのでしょうか。皮肉なことに検索エンジンにインデックスされているコンテンツ以外の情報を重視すると Google は言っています。

Google 検索の基本事項

このページの ページの主なプラクティスの中で、 「サイトに関する情報を発信する。」という箇所があります。 SNS や Google 検索エンジン以外のコミュニティの中で専門家同士がやり取りしている、もしくはユーザーとのやり取りの中でその人が専門家にふさわしい情報を発信しているのかを Google が評価すると解釈することができます。

もう一つ、「沈黙の Web マーケティング」で有名な松尾氏が書いているブログの中で面白いことを言っています。 Twitter で仲間内と交流して情報をやりとりしていたら、当初検索エンジンの上位に上がらなかったページが、上位表示されたという事例です。

つまり、Twitterでの交流、YouTubeでのやりとり等で その人がコミュニティの中で何かのスペシャリスト的な情報発信をしている場合、 Google はその人が発信したコンテンツを高く評価するというような流れになっていると思われます。

考えてみれば、皮肉なことです。SEOコンテンツとして、Google以外のコミュニティやリアルのコミュニティで発信している人の内容を見て、Google がその人の専門性を判断するというのですから。

逆に、本物の専門家であったとしても、論文を一本も書かず、SNSやYouTube などでその人が情報発信しなかったら専門家としての認知がされない、ということになってしまいます。これも怖いですね。

ですので、SEO対策として言えば、コンテンツの充実と言うこと以外に、SEO以外の活動、例えば各種展示会やイベントでの発信やSNS等も手を抜いてはいけない、ということになります。マーケ担当者にとっては大変な時代です。

独自の経験、オリジナリティ

独自の価値提供、オリジナリティがこれまで以上に注意されています。

世界中のコンテンツの60%は重複だそうです。

インターネットの60%は重複である #SearchCentralLive

検索体験の向上のために、Googleは、如何に重複を排除するかを工夫しているわけです。

ユーザーの役に立つコンテンツとは何かという点についてこの[有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成]ページで Google は詳しく述べていますが、単なるコピーやサマリーではダメと言葉を変えてしつこく言っています。

とはいえ、世の中のECサイトや企業サイトでは、扱っている商品は同じことが多いものです。人材派遣会社や人材紹介、不動産検索サイト等も、元々の情報は同じなのですから、差別化するのは至難の技です。

逆に言えば、特定の商品・商材を扱った時に、体験者しか欠けない具体的な話、気付きや体験談、感動したことは価値の高いコンテンツになる、ということです、同じ理由で、ユーザ事例も価値が高いコンテンツとなるでしょう。ただし、やらせや虚偽で、あくまで本当にユーザに語ってもらう必要があります。

EATに変わって、EEATと略されることが増えていますが、従来の高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)に、追加されたのは、優れたエクスペリエンス(Experience)です。

品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追

このように、実験や体験等に裏付けられたストーリーやコンテンツを入れると、上位表示に結び付くということ傾向になってきつつあるように感じます。

その中で何らかの問題解決、訪問者にとって何某か価値を提供できるコンテンツを「役にたつコンテンツ」と定義して、上位表示しているのではないかと思います。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

検索結果ページのレイアウトも変わり、検索体験そのものが最近変わってきています。

これは裏を返せば Google の焦りかもしれません。 今話題になっているChatGPT、 これに質問を入力してすぐに適切な答えが返ってくるならば、検索は使われなくなってしまいます。

「最近検索しても、探す答に辿りつけない」「検索結果の上位に来ているサイトは、全て広告なんでしょ」というユーザの不満にGoogleも真剣に取り組もうとしています。

その答えは、小手先のコンテンツの書き方とか、ライティング技術とかでは通用しなくなるのではないかと危惧しています。

むしろ、専門展示会に出展する、オリジナルの論文を書く、 YouTube で発信する、 SNSのコミュニティで発信して権威性を高める、というマーケティング全体を考えなくてはならないわけで、コンテンツ内部のライティングの領域を超えてきています。

これからのコンテンツ制作を考えるにあたって、どのようなキーワード網羅すべきなのか、は当然重要ですが、同時に、誰がコンテンツを書くべきなのか、どういう記事を書いてもらうのか、という作戦はますます重要になってくると思います。