ウェブ解析士協会が主催するMartech Conference 2019 報告会に行ってきました。
Martech（マーテック）とは、広告からインフラまでマーケティングテクノロジーを網羅的に集めたカンファレンスで、アメリカのマーケティング関係者が中心に集まるカンファレンスで、発起人は「ハッキング・マーケティング」の著者スコット・ブリンカーさん。2014年8月にスタートした比較的新しい、地味なカンファレンスだそうです。
今回カンファレンスの報告登壇をしてくれたのは、アンダーワークスの田島社長と、ウェブ解析士協会の江尻理事です。（以下敬称略）
セミナーのタイトルが「2019年のマーケティングテクノロジーのトレンドを読み解く」でしたので、ご登壇者の方がピックアップしたトレンドで、私のアンテナにひっかかったものだけを、簡単にメモ風にまとめました。
全体の感想として、GoogleHomeやアマゾンエコー等の音声検索が今後のB2C市場の大きな市場になると感じました。
B2Bでは、やはりアメリカ側も「マーケティングソリューションが、多すぎて使いこなせない」という状況が判って安心しました。人間どこも悩みは同じです。
第1部「2019年マーケティングテクノロジーの潮流」田島 学（アンダーワークス）
■ 2018年のトレンドと2019年の３つのトレンド
2018年 ・GDPR
・CDP
・AI
2019年 ・CDP
・IntentData
・MarketingOperation
GDPRとは、General Data Protection RegulationでEU一般データ保護規制のことです。EUではこれに違反すると売上の4%という高い罰金が課されます。これに準じた罰則を規定しようとしているのが、アメリカではカリフォルニア州です
CDPとは、Customer Data Platformのことで、社内にバラバラに存在している顧客の属性データや行動データをどうやって集めて統合してゆくためのプラットフォームです。
IntentDataとは、顧客の興味・関心を把握するための行動データのこと。
MarketingOperationとは、社内で複雑化するマーケティングキャンペーンを同時並行して進行するには、どうやってタスク管理して進捗把握をするかというソリューションだそうです。
■音声アシスタント
音声アシスタント向け広告というのも出ていて、これは今は市場規模0円だが、今度3年間で3兆円の市場規模にまで成長するという予測が出ています。
■Single Vender Suites VS Best of Breed
同一ベンダで統合されたパッケージスイート製品を使うか、または各分野で最良のハードウェアやソフトウェアを選択し、その組み合わせて全体最適を狙ってシステム構築を行うかの議論が各所で行われた
■ソリューションの多さ
MarketingTechnologyというのは、非常にソリューションの数が多い「ロングテール」の業界。ニッチなマーケティングソリューションが多い。
2010年にマーケティングソリューションは数えても150。
2018年にこれが、約7000まで増えた。
ERP等のように大手のソリューションに収斂していない。
ちなみに、最も一般的に利用されているデジタルマーケティングソリューションは、GoogleAnalytics、アドビ、FaceBook等
■どうやって使いこなすかが課題
ここ数年で爆発的に増えてきたマーケティングソリューションだが、2019年の伸び率は3%だった。今後はどうやって使いこなしてゆくかが課題
第2部「ウェブ解析士が見たMartech Conference 2019」江尻 俊章 （ウェブ解析士協会）
■ 2019年の３つのトレンド
・サイト表示のスピード改善のためのマーケティングソリューション
YOTTA／PANTHEON等
・グロースハック、チームマネジメントのためのソリューション
ZOHO SPIRITS／CoSchedule
・スマートスピーカーのためのソリューション
YEXT
DKM（デジタル・ナレッジ・マネジメント）とかVSO（Voice Search Optimization）というジャンルは今後注目すべきジャンル。USでも音声アシスタントの所有者はまだ20%程度。
■技術の進化から顧客の活用支援へ
技術にお客の方が追いついていない。顧客の活用を促すための技術やソリューションが進化。
どうやって使いこなせるかが主要な課題になっている。
以上ですが、お役に立てば幸いです。
