これも実用的な本です。
Excel中級レベルでちょっと複雑なことがわかるぐらいの方が読むと、現場で応用して使いこなせると思います。
ただし現実には、ここまで分析で使えるデータを揃えることの方が、1番苦労されるのではないでしょうか。
多くの企業の場合、認知度、販売価格、販売個数、販促費、売上実績、店舗面積等、この本で例示されているようなデータは、バラバラに分散したデータベースに入っていることが多いからです。
分析するには、正確なデータを分析に足るだけの分量集める準備が必要です。
本の中で「すぐ使えそうだな」と思ったのは第2章と第7章で、アンケートから戦略的な打つ手を考えるという部分です。これは工夫すればすぐに実行できそうです。
第6章のDMの反応率を高める施策ですが、分析した結果があまりにも当たり前と言うところに落ち着いてしまっているのが残念です。ここはもう少しひねりが欲しい。というのは、現実ではどの施策を打ったら、どれぐらい反応率が良いかは送信直後に、ほぼリアルタイムでわかります。
しかし、ダイレクトメールの送信結果は、定期的にきれいなデータを取りやすいです。きれいなデータが取れると言う意味ではウェブの解析データも組み合わせると面白い結果が出るかもしれません。
なんと言ってもこの本の良いところは、Excelの結果の見方を非常に簡単にわかりやすく書いてあることです。
回帰分析、重回帰分析等、統計解析の細かな原理原則の説明は一切省いてあります。そして、Excelに絞って、自動計算した結果の、どこをどう解釈すれば良いのかだけについて書いてあるので非常にわかりやすいです。
確かに、90分でさらっと読めますので、Excelでどこまでできるのかを考えると言う意味では損はない本です。