ホームページの運営で困るのは、基準値というものが曖昧ということだと思います。
自社の離脱率や新規のユーザーの数は平均と比べてどうなのか、どこまでやれば「改善できた」と言えるのでしょうか。
今回、非常に注目すべき「ベンチマーク機能」がリリースされたのでお知らせします。
これは同業他社がどのくらいのパフォーマンスを出しているのかを、一目で把握できる機能です。
何ができるのかとB2Bマーケティングにどのように役に立つのかについてご説明したいと思います。
GA4ベンチマーク機能のリリース
2024年10月に、GA4のベンチマーク機能はリリースされました。
これは、自社のGA4データと、Googleが独自に収集した幅広い業種のビジネスカテゴリのデータと比較することが出来る機能です。
Googleヘルプによれば、収集されたGA4のデータは利用者の許可を得て暗号化され、プライバシーが確保された状態で集計されているとのことです。
ベンチマーク機能の使い方
この機能はGA4のアカウントがあれば、無料で使うことができます。
事前設定
まず、GA4のアカウントを作ります。次に、[アカウント設定]で[モデリングのためのデータ提供とビジネス分析情報]の設定を有効にする必要があります。

管理画面からの設定
使い方は、ベンチマーク機能フラグをONにするだけです。場所は判りにくいですが、ホームからカードの右上のバッジを右クリックしてフラグをONにします。
点線は同業他社グループの中央値、網掛けは同業他社グループの範囲です。同業他社グループは自由に変更できます。

操作方法等は、動画を見ればわかります。
カテゴリーはかなり細かく分かれています。

昔のUAの頃にもベンチマーク機能というのはありましたが、B2Bにはあまり有用なデータはなかったと記憶しており、あまり使ったことはありませんでした。
今回見てみると、かなり細かくなっており、B2Bでも参考になると思います。
ただし、これらのデータは暗号化されており、オリジナルデータは不明のため、特定の競合他社と比較することはできません。
特定の他社サイトと比較した自社のポジションということについては、有償の別ツールを使う必要があります。
自社データがベンチマークに利用されているか確認するには
ベンチマークになるデータが見えるのは有難いけれども、自社データもベンチマークの機能に使われているのか気になりませんか?
暗号化されているとはいえ、自社のウェブサイトデータがGoogleによって使われているかは、どこで確認できるでしょうか。

こちらの設定で、自社データがどこのカテゴリとして使われるかをコントロールすることができます。
なお、2024年末現在、自社データを提供しなくとも、ベンチマーク機能を利用することは可能です。
β版なので、この利用条件はいつ変わるかはわかりませんが、カテゴリーがかなり細分化されているため、B2Bサイトであっても、自社のサイトの改善のための参考データとして使うことができると思います。
B2Bサイトで使えそうな指標と注意点
ここではGA4ベンチマーク機能をどのように使っていくべきか、使い道と注意点について考えてみます。
自社カテゴリー
前述したように、カテゴリーの分類がかなり細かいです。
全体的にB2Cで一定規模以上のサイトを中心にベンチマークのグループが組まれているようです。
ベンチマークのグループを構成しているのは、「プロパティに最低限の数のユーザーが存在」していて、「一定量以上の有意なデータを生成している」サイトです。
そういった意味で自社のサイトの規模が小さい場合には、すぐに参考にはならないかもしれません。
そのような場合、同じカテゴリーであっても、ユーザー規模の大きい企業のデータを、参考資料として見るのがよいと思います。
また、B2Bの場合、自社が属する正確なカテゴリーが見つからない可能性があります。その場合は類似の産業や、参考になる企業サイトのカテゴリを想像しながらカテゴリを探す必要があるかもしれません。
B2Bで使えそうな指標
ベンチマーク機能は、全ての指標で利用できるわけではありません。
B2Bで有効利用できそうなのは、やはり集客とエンゲージメント関連でしょう。
集客 | 新規ユーザー率 |
エンゲージメント | セッションあたりの平均エンゲージメント時間 ユーザーあたりの平均エンゲージメント時間 平均セッション継続時間 エンゲージメント率 エンゲージメントセッション数(1ユーザーあたり) ユーザーあたりのイベント数 セッションあたりのイベント数 セッションキーイベント率 ユーザーあたりのセッション数 ユーザーキーイベント率 セッションあたりのページビュー数 ユーザーあたりのビュー |
ユーザーあたりのキーイベント率とは特定のキーイベントがユーザー1人あたりにどれだけ発生しているかを示す指標です。
セッション当たりのキーイベント率というのは1セッションあたりで特定のキーイベントがどれだけ発生しているかを示しています。
こういったビジネスにとって重要な行動を取っているかの数値を、同業他社グループと比較できるのは大変参考になると思います。
ベンチマーク機能の活用方法
弱点の補強
まず、同業他社のグループに比べて劣っているポイントについては、改善が必要です。
例えば、わかりやすいのは、新規ユーザー率でしょう。B2Bでも、ホームページというのは新規顧客の獲得もしくは認知向上のためにやっている場合がほとんどだと思います。
新規ユーザー率が同業他社グループよりも低い場合は、新規ユーザーを増やす策を考える必要があります。
日本市場全体が縮小に向かう中、新規ユーザー率というのは何にも増して重要な指標かもしれません。
サイトのビジネスへの貢献度を見るという意味では、ユーザーあたりのキーイベント率、ユーザーあたりのエンゲージメント時間など、ユーザーの定着率や行動に関係するエンゲージメント周りの指標を見ると良いと思います。
強みを伸ばす
逆に同業他社グループに比べてエンゲージメント時間が長かったり、新規ユーザー率が高かったりと、良いことも発見できるかもしれません。
その場合にはサイトの目的に照らして、その結果を分析して判断する必要があります。
例えばB2Bの専門家向けのポータルを考えてみましょう。新規ユーザー率がベンチマークよりも高い場合、これが認知獲得のためのメディアサイトであればプラスと理解できますし、これまでのコンテンツ制作の方針が間違っていなかったという証拠になります。
次にやるべきことは、このポータルサイトで何らかのアクションを促す施策を実施することです。
同業他社グループと比べて優れた点があったとしても、それがサイトの目的に照らしてプラスなのかマイナスなのかというのは考える必要があると思います。
まとめ
ベンチマークを上手く活用すれば、自社サイトの施策の優先順位をつけることに役に立つでしょう。
どのホームページにも改善すべき点は多くあると思います。
が、少なくともサイトの目的に照らして、他社に劣っている点については早急に対処をするべきでしょう。
小規模サイトであっても、ある産業グループを取り出して平均でどれぐらいのサイトのパフォーマンスを出しているのかということは、参考になる貴重なデータであることに変わりはありません。
使い方は簡単です。申し込みや登録をする必要はなく、フラグをONにするだけです。GA4を使っている企業であれば無料で使えます。
自社のサイトが小規模なサイトであったとしても、参考のデータとして活用してみてください。
[参考資料]