SEOの功罪

先日あるお客様からSEO対策で困ったことがあると言われ、都内某所の鍼灸治療院にお邪魔する機会がありました。

SEO対策の功罪と言うものについて考えさせられましたので、今日はその話をしたいと思います。

SEO対策の功罪

お世辞ではなく、そのお客様のホームページはとてもよくできていました。
欠点が明らかなホームページと言うものは、改善の余地も大きいのですぐに状況は改善できます。

そのお客様のホームページは、構成もしっかりしていましたし、文章のテキスト量もかなり長く申し分ありませんでした。社長はこの分野の知識を独自で勉強されていて、ご自身でGoogleアナリティックスなどを見て研究されていました。
中小の経営者の方で真面目にアナリティックスを見ていらっしゃる方はあまりいない中、かなり頑張っておられます。

しかし残念なことに昨年8月突然Googleのアルゴリズムの変更がありこれまでホームページの検索結果の表示順位が何故か突然に1ページ目から落ちてしまいました。

広告を出してみたものの、広告ではやはりオーガニック検索のような引き合いの増加は見込めていない、その結果新規のお客さんの数が大幅に減っていると言う状況で何とかSEOの検索順位を元に戻せないかと言うのが相談内容だったのです。

狙ったキーワードで検索順位一位のホームページを見ても「それほど特別なことをしているページとは思えない」と社長。確かにそのとおりだと思いました。

処方箋

このようにいろんなことをやり尽くし、ホームページがある程度まで洗練された会社様のホームページの場合、次の打ち手・やるべきことというのは、限られてきます。
まずはきちんと調査を押しどのページのどこを直すべきかと言う事を詳細に調査していかなければ答えはなかなか出ません。

40点を取れていた学生が、やる気を出して70点に点を伸ばす事は比較的簡単といえば簡単です。が、80点とってた優等生が90点に点数を上げるのは、それなりの努力を要します。

換言すれば、体力とやる気さえあれば、ある程度の点数までは持って来れますが、それ以上の点数を取ろうと思えば、それなりに知力・アイディアを絞らなければなりません。

このお客様のサイトは「優等生」の段階にあったと思います。

Googleに依存することの怖さ

ではこのお客様のような場合どうすれば良いのでしょうか。
そもそもどのようなデジタル施策を打てばいいのでしょうか。

まず、Googleからの新規の流入を回復するようにSEO対策を見直さなくてはなりません。
しかし新規流入をGoogleに依存し続けると言うのもかなりリスキーなことなのです。
これはGoogleの功罪の罪の部分に当たると思います。

時期は違いますが、司法書士をしていた方も同様の経験をしました。
SEO検索対策のために、いくつもホームページをつくり、検索の上位表示を狙いました。そして成功したのです。新規顧客が楽に獲得できるよい時期もあったと伺いましたが、いくつもホームページをつくってしまったことが裏目にでました。ホームページを更新していた若手社員が辞めてしまったのです。ホームページの運営に手間がかかりすぎ、更新の頻度が落ちると同時に、Googleの検索結果の上位に表示されなくなりました。

これはGoogle経由の新規顧客に依存した結果の例です。Googleの検索結果に振り回される会社は、実に多いです。

売り上げを上げ続ける仕組み

Googleの検索で何かを探している人たちは、確かに「今、何かが欲しい」と言う欲望があるので、コンバージョンの率は高くなります。

しかし、一旦ホームページに来てくれたお客様を、お客にするための施策を打ち出せているでしょうか。

また、新規顧客を有料なリピート客に育てていくと言う仕掛けも重要だと思います。言うまでもなく、利益を生むのは9割のりピート客だからです。
と同時に、Googleからの新規流入を絶えず増やし続けなくてもよい方法だからです。

お馴染みのお客から新しい顧客を紹介してもらうような仕掛けを作る、いわゆる「一見さんお断り」というやり方の方がGoogleに依存する率が低く安全と言えば安全な方法かもしれないのです。

常にSEO対策を考えなくてはならない状態から、Googleへの依存度を下げ、多様な方法で集客すると言うことを考えるべきではないでしょうか。

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