前回はイプロスと似たような競合他社も含めて、B2Bが使えそうなサイトをピックアップしました。
無料で使えるなら使ってみたいと思うお客様も多いと思います。
しかしイプロスというこの会員制サイト、無料で何がどこまでできるのでしょうか?
そこで、今回はイプロスについて、無料の範囲で何ができて、何ができないのか、有料になったらどう変わるのかなどを具体的に書いてみようと思います。
と言うのも、私もいくつかB2Bの製造業の企業様のご支援する時に、よくこのイプロスサイトを使いました。
その時、このイプロスのサービスを理解するのに、かなり時間がかかりました。
一般的なマーケティングとは用語の意味が異なったりしています。
イプロスだけにWebのマーケティングを依存している会社は少ないと思います。
ですので、私がここ数年利用していた経験から、判る範囲内で、イプロスの無料でできる範囲や使い方、注意点などを書いてみたいと思いました。
イプロスというメディアが得意とする営業リストの獲得に、活用していただければと思います。
情報ポータルサイトとしてのイプロス
登録は無料
イプロスというサイトは閲覧会員数、出展企業数がともにNo.1のB2Bデータベースサイト。
170万人を超える会員に、6万社以上の企業がPRしています。
情報を掲載したい出店企業側と、情報収集をする閲覧企業側をマッチングするサイトで、B2Bのマッチングサイトの中では老舗中の老舗です。
イプロスにカタログを掲載したい企業は、まず企業としての会員登録が必要になります。
会員登録をした後データベースに自社のカタログを掲載するのまでは、全て無料でできます。
ここで鍵になるのは、情報収集をするサイトを閲覧する側の人も、会員登録が必要だということです。
もちろん会員以外の方もイプロスのサイトを見れます。
見ることはできますが、カタログのダウンロードや問い合わせ、電子ブックを見たいなど何かアクションをしようとすると、必ずログインを求められます。IDを持っていない人は、まず会員登録を求められます。
イプロスを使い始めるには
イプロスを使うのは登録さえすれば誰でも活用できます
カタログスタンドに無料でカタログを置かせてくれるようなイメージです。
最近では、無料出展会員登録のご相談窓口まであるようです。
とにかく必要な事項を画面に沿って埋めてゆき、必要な情報をアップロードすることをひたすら繰り返していけば登録はできます。
イプロスのヘルプもデザインを一新して見やすく検索しやすくなっていました。
イプロスのマニュアルはカタログを登録する管理画面からいつでもダウンロードできるようになっています。
イプロスを活用するための動画のセミナーやマニュアル等の学習教材も全て管理画面にあります。
販促会員以上の企業には電話のサポートセンターもあります。平日のビジネスアワーのみですが不明なことは電話をかけたら教えてくれます。
今のご時世、電話をかけたら日本語でつながるというサポートは貴重なので、日本人が対応してくれるだけ親切だと言えるでしょう。
出店側が使えるサービスメニュー
無料で企業側もカタログを登録できるわけです。
では、出店する企業側が使えるサービスメニューにはどのようなものがあるのでしょうか?
無料でどこまでできるかの説明をする前に、イプロスの大まかな有料サービスメニューについて主要なものをご説明します。
特設サイト
イプロス特設サイトとはホームページを自社で作るのが面倒な会社が、管理画面に従って入力をしていけばイプロスの内部に自社のホームページを持つことができるというものです。ニュース投稿までついているので情報を厚くすることができます。
ただし、この特設サイトはドメインが全てイプロスになるので自社のドメインにはなりませんので注意は必要です。

こちらはAGCの特設サイト例ですが、イプロス販促支援会員以上の有料のプランの人のみ利用することができます。
出店管理と顧客管理
出店管理と顧客管理という大きく分けて2つのメニューがあります。
出店管理とはカタログやダウンロード用の資料を管理するメニューです。
顧客管理とは引き合いのあった顧客データを蓄積し管理する機能でメールの配信機能を含みます。また、自社のリストを持ち込むつまりアップロードすることができます。
これで自社が展示会で集めたメールアドレスに対してメールを案内したり、イプロスの特設サイトへの誘導を測ったり、新しいカタログをアップロードした時にメールでお知らせをすることができます。
この顧客管理機能も、イプロス販促支援会員以上の有料のプランの人のみ使えるようになります。
広告
イプロス会員向けメルマガで、貴社の製品・サービスを集中的にPRできます。契約しているプランごとに1年間で掲載できる回数が異なりますが、メルマガの最低保証配信数は10万通ですので、上手く掲載できれば広告としての威力はあります。
もう一つターゲティングバナーの掲載があります。
これは、出展社に関連する情報を探している見込み客だけに絞ってバナーを表示するもので、広告表示は通常のバナーよりは精度は良いでしょう。都道府県単位で表示地域を制限できたりします。
これらの広告プランは、販促支援会員以上に対して提供される広告サービスです。
無料利用できる範囲
凡そのサービスメニューがわかったところで、では無料会員の利用できる範囲はどこまでなのでしょうか?
再び、料金プランを見てみます。
まず、前項で述べた特設サイト、メール配信を含む顧客管理、広告は全て無料会員ではできません。
ここで無料会員の箇所にいくつか△がついています。全ての情報は制限があるが、一部の情報は閲覧できるという意味です。
じつはここが曲者です。
イプロスの管理画面には、引き合い管理というメニューがあります。
これは、イプロスでログインしてくれた閲覧者がどのようなアクションをとったかを種類別に確認できる重要な機能です。。
「引き合い」=「顧客からの問い合わせ」という訳ではなく、利用者のアクション全てを含んでいます。
具体的にイプロスでの「引き合い」とは
- お問い合わせ
- 資料請求
- ダウンロード
- 電子ブック閲覧(PDFの中身をちらりと見せる機能)
- 動画視聴
の5つを指すわけですが、無料会員の場合、「お問い合わせ」以外の引き合いでは、引き合い詳細で肝心の情報がマスクされてしまいます。
企業名のみがわかり、電話番号含めた部署名~メアドまでが非表示になってしまいます。
ではCSVでダウンロードすれば確認できるのかというと、CSVダウンロード自体、無料会員ではできません。
つまり、閲覧者から直接「お問合せ」という緊急性の高い連絡がはいった場合のみ、企業名、部署名、電話番号、メアドなどイプロスは見せてくれますが、それ以外のカタログダウンロードや資料請求等の緊急性の低い場合は、肝心な情報は見せてくれないということです。
このように、無料出店の会員と販促支援会員以上には大きな差があります。「イプロスが使えない」と思われるのは、このあたりが大きな理由ではないかと思います。
営業リスト集めのプラットフォームとして活用するには、やはり販促支援会員以上にならないと厳しいと言わざるを得ません。
逆に言えば、販促支援会員以上になると、イプロスという巨大なプラットフォームの上に乗っかることができ、カタログスタンドで営業リストを集めるという機能だけではなく、広告や自社の製品の露出を有利に増やすことができ、メール配信ツールの代わりに使って、アウトバウンドで潜在顧客に働きかけることができるようになります。
イプロスの掲載料・月額費用は?
イプロスの有料会員のメニュー内容についてはこちらにあります。
ですが各々のメニューの月額費用については非公開なんですね。
私が数年前に調べた時にはイプロスの有料会員である販促支援会員は月額6万円でした。
その後値上げされたと聞いています。
また販促支援会員でも2022年に新たなメニューが追加されています。
このようにイプロスの月額費用については非公開ですのでご興味を持たれた方はお問い合わせください。
イプロスへ単発で広告を出すには
毎月費用をかけて販促支援会員にならなくとも、単発で広告を出すことはできます。
単発のプランも色々な種類がありますが、代表的なものにスポット広告とトップコラムを利用したものがあります。
スポット広告はイプロス会員向けのメールマガジンへの掲載と4週間の検索結果での優遇掲載がされます。
このイプロス会員向けのメールマガジンをさらに活用したのがプレミアムコラムです。
メルマガの最も目立つエリアで、貴社製品・サービスを3回に分けて紹介してくれます。1回の配信で10万ですから、合計30万人に訴求できます。
また行動履歴データを基に、特集テーマに関心のあるユーザーを独自のAI技術で抽出して、「特集専用メールマガジン」を配信します。「特集専用メールマガジン」の最も目立つエリアで紹介する集客プランです。
このようにイプロスの広告メニューは10万人の会員の行動履歴やデータベースを最大限に活用したものになっています。
その他タイアップページなども単発の広告メニューにありますので大きなキャンペーンをやる時には有効ではないでしょうか。
このようなイプロスの媒体資料ですがやはり公式なものは最新のものをダウンロードしてください。こちらからダウンロードは可能です。
イプロスを活用する上での注意事項
イプロスを実際に使ってみた経験者という立場で言えば、注意すべきところがいくつかあります。戸惑った箇所を中心にご説明します。
「イプロス」用語の意味
自社サイトを運営している会社で、「コンバージョン」といえば通常B2Bサイトであれば、引き合いもしくは問い合わせがあったというところが多いのではないでしょうか。
何がしかのユーザーからの意思表示があるポイントをコンバージョンとするところが多いのではないかと思います。
しかしイプロスの場合、「コンバージョン」というのはそれ以外のものも全て含みます。イプロスのサイトの中では、会員がログインして何らかのアクションを取ったらそれは全て「コンバージョン」です。
具体的にはカタログをダウンロード、電子ブックの中身を見るというだけでもコンバージョンに含まれます。
ですので統計グラフを見てコンバージョンが増えているからと言って、単純に喜ぶのは禁物です。
しかも、カタログダウンロードの場合、他の会社のカタログと合わせて同時に一括してダウンロードをするという機能があります。
会員からすれば製品の比較をするために類似製品のカタログを一括してダウンロードできるので、便利な機能です。
ですので、カタログをダウンロードしているからといって他社のついでにダウンロードしてくれたというケースも実は多いのです。
要するにイプロスの「コンバージョン」「引き合い」というのは、全てお客様が自社の製品に興味関心をもっているのではなくて、単に製品比較をし始めた段階であると理解した方が正しい場合もあるのです。
結局無料会員では肝心な情報は見れない。
イプロスの無料会員はカタログや資料の登録は無料です。
しかし無料会員の場合、管理画面で見ることのできるユーザーの情報は極めて限られています。
お問い合わせについては、ユーザーの電話番号やメアドを管理画面から見ることができます。
しかしカタログのダウンロードや資料のダウンロード、電子ブック閲覧など、ユーザが他社と比較をはじめた段階でのユーザーのアクションの場合については、無料会員では、ユーザーの電話番号やメールアドレスを閲覧できません。
機能面での限界
自社製品の数が多い場合、登録画面が大変面倒で正直言って使いづらいです。
製品のカタログを変更したり情報を変更する場合も同様です。
また育成管理のメール機能も使い勝手が今一つです。
自社のリストをアップロードしてメールを送信できるまでは良いのですが、その後のメールの自動化、リスト抽出、自社で独自のシナリオを作ろうと作ってメールを配信するという機能はありません。
特にリスト管理ですが、リストの抽出はタグに頼るしかありません。
タグの一括変更はできますが、ちょっと複雑なことをしたいと思うと、リストを全てCSVで一括ダウンロードして、CSV上でユーザデータを変更し、それをまたデータベースに戻すという不便さです。
リスト管理は相当面倒と言わざるを得ず、マーケティングオートメーションMA的な使い方を想定しても限界があります。
販促支援プランの上位プランになるとヒアリングオートメーション機能というものが使えるようです。
ユーザーが資料をダウンロードした際に、独自のAI技術により自動生成されたアンケートを表示します。
PDFをダウンロードした後に自動でフォローメールを送ってくれるというものらしいです。
これも自動で生成されたフォローメールなので自社独自のフォローメールを送るということはできないようです。
リストの育成管理は、現在のところ、残念ながら使い勝手はあまりよくありません。
まとめ
以上ポータルサイトとしてのイプロスのサービスの特長と、無料会員でどんなことができるのか、使い勝手について、ざっとご説明してきました。
使い勝手等については、あくまで私個人の感想です。個人の主観として受け取っていただければと思います。
しかし、使い勝手の良しあしはあるものの、10万人のB2Bユーザーに一度に訴求できるメディアというのは、そう沢山あるわけではありません。
B2Bの場合、1回の取引の単価も相応に高くなります。大型の商談が決まればある程度出展の費用をかけ、キャンペーン広告を打ったとしてもちゃんと採算が取れるということもよくあります。
そしてイプロスを訪問している会員ユーザーで、ログインして何らかのアクションを起こしているユーザーは、製品比較を行う段階に来ているユーザーであるということです。
極めてニーズが顕在化しかかっているユーザーのリストを獲得することができるというのはイプロスの大きなメリットです。
実際にイプロスで効果を上げている出展企業は数多くあります。
次回はイプロスの活用法についてご説明したいと思います。