Googleオプティマイズ終了!【小規模サイト向け】無料で使えるおすすめA/Bテストツール

2017年から無料で提供されてきた A/B テストツールである Google Optimizeが2023年9月30日にサービス提供を終了しました。公式発表はこちらのページです
https://support.google.com/optimize/answer/12979939?hl=ja

GoogleはGA 4に Google Optimize に似たような機能を追加するような話をしていたらしいですが、正式なリリースはまだありません。

A/Bテストというのはご存知の通りランディングページやホームページの改善のために使える有効な方法です。テキストや画像等の要素を、Aパターン、Bパターンで準備し、ユーザーにランダムに表示して、その結果を比較して、よりよいパターンを見つけてゆくことができます。

ランディングページの数が少なく、それほどPVが多くない会社にとってはありがたいサービスでした。

いきなりGoogleから停止と言われてもA/Bテストを止めるわけにもいかず、まずは代替えの製品を探さなくてはいけません。

そこで、今日は Google Optimize の代替えになるA/Bテストツールについて調べてみました。

有料のツールがあることは知っていますし、お金を出せば解決できる問題であることもよく分かっています。

しかしマーケティング予算も上限がある中小企業の場合、ツールの1つ1つにかけられる費用は限られています。

小規模なサイトで、今使っているGoogle Optimizeの代替になればよいという視点で比較しています。
同じ悩みを抱えておられる企業様のお役に立てば幸いです。

  1. 比較の前提
  2. 無料で使えるA/Bテストツール
    1. Optimize Next
    2. VWO
    3. Juicer
  3. A/Bテストツール(有償)
    1. Optimizely
    2. DLPO
    3. Ptengine
    4. Sitest
    5. CVX
  4. まとめ

比較の前提

今回は、

  • テストしたいランディングページはせいぜい数ページ
  • PVは月間2000PV程度
  • ページのレイアウト等を変更して簡単な勝ち負けを実施
  • 多変量解析等の高度な機能は必要ない。

という前提条件で調べました。
ですので、最初から高度な機能(ウェブ解析機能やレコメンデーション等)やコンサルティングサービスがついているものは調査対象から外しました。

むしろ、Google Optimizeと画面の操作性が違わないか(ノーコードで使えるか)や簡単に導入可能か、費用面はどうか、というポイントで調べています。

なお情報は2023年2月に初稿、2024年4月にアップデートしました。

無料で使えるA/Bテストツール

Optimize Next

「Google Tag Manager」の仕組みを応用することで、無料でA/Bテストツールの提供を可能にしました。アクセスの多いサイトでも、制限なく無料でご利用いただけます。今後有償で機能追加がされることはありますが、現在提供されている機能は基本、無料のまま使い続けることができます。GA4とのAPI連携により、テスト結果の確認もすべてツール内で完結。2023年10月にβ版提供開始。既に2,000以上のWebサイトで導入されています。(2024年4月時点)
https://optimize-next.com/
PROJECT GROUP株式会社(本社 日本 東京)

   

操作性

コーディングの知識がなくても、直感的な操作でコンテンツを編集できます。操作感はGoogleオプティマイズを可能なかぎりそのまま残しています。

価格

アクセス数の大小にかかわらず無料で利用可能

導入の容易さ

GTM経由で導入可能。

VWO (Visual Website Optimizer)

全世界の2500ブランドへの導入実績、訪問者ごとにマウスの動作と滞在時間を録画して確認することが出来るため、的確な分析が可能になります。2010年からA/Bテストツールを提供
https://vwo.com/
Wingify社(本社インド デリー)

サービス提供 日本では株式会社SHIFT株式会社ギャプライズが正規代理店

   

操作性

ノーコードでサイト編集が可能

価格

月額9万円程度(~月間1万UU)

月間5万人までは無料プラン有(機能制限あり)

導入の容易さ

GTM経由だと、チラつきが大きくなったりするので、タグ直書きを推奨。ただしGTMでの設置も可能

Juicer

Juicerは、インターネット上の匿名ユーザーの属性・興味関心・購入検討の状況などをビッグデータと人工知能で分析、推定するデータ分析基盤です。2018年グッドデザイン賞受賞
A/Bテストはあくまでも機能の1つとして使えますが、どなたにも簡単にご利用いただくため、シンプルなA/Bテストのみを提供しております。コンテンツの配置を変更するテスト、URLを振り分けてページ単位で成果を判定するテストには対応しておりません。
あるコンテンツ(画像、テキスト、ボタン)を異なるコンテンツに置き換えるタイプのテストにのみ対応しています。
https://juicer.cc/

株式会社PLAN-B(本社 大阪)

操作性

エンジニアの方でなくてもソースコードに触れることなくテスト実施が可能。

価格

登録するアカウント数やサイト数に制限はなく基本機能はすべて永久無料

導入の容易さ

一行のタグをサイトに埋め込むだけで使えます。GTM経由でも利用可能

A/Bテストツール(有償)

Optimizely

世界シェアNo.1 で実績がある世界的に有名なサービスであり、日本語での対応も可能です。PC以外にもスマホでのテストやモバイルアプリでのテストなどあらゆるデバイスでテストを行うことができます。Googleが推奨する代替えツールでもあります。

https://www.optimizely.com/
Optimizely社(本社米国NY)

サービス提供 日本では株式会社ギャプライズが正規代理店

操作性

ノーコードでテストパターンの制作が可能。

価格

非公開だが、費用はかなり高そう。Google Optimizeからの乗換割引が提供される

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000109.000057359.html
テストツール、お試し期間はある。

導入の容易さ

GTMを利用して簡単に導入可能だが、タグは直書き推奨

DLPO

日本国内実績No.1のLPOツールです。
DLPOは、2007年に老舗SEOサービス企業であるアイオイクス社の1プロジェクトとしてスタート。2013年にデータアーティスト社としてDLPO事業をスピンアウト。
2018年にデータアーティスト社の電通グループ入りをきっかけに、DLPO社として独立。

https://dlpo.jp/

サービス提供 DLPO株式会社

操作性

Google Optimizeと同程度の操作性

価格

公式HPでは非公開 比較サイトの情報から調査したところ 月額10万円程度( ~30万PV/月) 

テストツールやお試し期間はなし

導入の容易さ

GTMを利用して簡単に切替可能

Ptengine

世界180ヶ国、20万以上のユーザーにサービス提供実績。利用満足度90%を超えるアクセス解析ツールです。全世界で20万人以上に利用
アクセス解析を行PtengineInsghtとページ改修やA/Bテスト、パーソナライズができるPtengineExperienceの2つのサービス。Experienceのみでも契約可能

https://www.ptengine.jp/
株式会社Ptmind(本社 東京)

操作性

ノーコードでサイト編集が可能

価格

価格表あり。3,000 PVまでは無料。そこからはPVに応じて課金
https://www.ptengine.jp/plan/

導入の容易さ

GTMで実装可能

SiTest

Webサイトの解析から改善までを一元化できるLPOツールです。スクロールやマウスポインターの動きを色で確認できるヒートマップ機能が充実しており、訪問者の行動を視覚化します。また、A/Bテストの他に多変量テストやターゲットの属性に合わせてLPを振り分けるFLPO(LP最適化)が実施可能です。アジアでの導入実績70万サイト突破

https://sitest.jp/
株式会社グラッドキューブ(本社 大阪)

操作性

エンジニアの方でなくてもソースコードに触れることなくテスト実施が可能

価格

30,000PVまで無料ただし、お試し期間は2週間のみ

それ以上の価格は非公開。調査によると、SitestLITEには、A/Bテスト機能はないので月額50,000円程度

導入の容易さ

GTMで利用可能

CVX

LP制作/運用ニーズにお応えするノーコードLP制作/LPO支援ツール。特にランディングページを自社内で制作したい企業向けのLPO支援ツール
但し、ツール内のページ同士でないとAとBを戦わせるテストはできない。ドメインはサブドメインを割り当てる形式で導入

操作性

充実したページ編集機能。変更したい「テキスト」も「画像」もカーソルをあわせて、操作するだけ。

価格

価格表非公開。調査によると、月額28000円(1ドメイン3ページ)から。

お試し期間有り、2週間無料

導入の容易さ

GTMで利用可能

まとめ

シンプルに解析ツールはGA4で行い、LPのPVは月間2000程度でそれほど多くない、Google Optimizeの機能だけを代替えしたい場合の選択肢をかなりざっくりで表にするとこんな感じでしょうか。

サービス名操作性・機能価格備考
Optimizely 非公開だがかなり高めGoogle Optimizeよりも以前からサービス提供
Google乗換推奨ツール
DLPO月額10万円程度
VWO月間5万UUまで無料無料版は機能制限あり
Ptengine月間3000PVまで無料設定数に制限あり
Juicer基本機能は永久無料基本機能に制限あり
Optimize Next永久無料設定数や機能制限なし
SiTest約5万/月~
CVX2.8万/月~

もともとサイト解析ツールの一部として A/B テスト機能を提供しているツールもあれば、A/Bツールに特化して提供しているサービスもあります。

あらためて判ったことですが、A/B テストのツールは、解析機能にパーソナライズ機能がついているような高度なものは、やはり大規模向けのサイト向けに作られているものが多いです。

無料のものでも、上限PV数、設定できるページ数、月間UU数、機能等の制限があります。自社で導入される際には、実際にテストするランディングページの実態に合わせてご検討ください。

こうやって並べてみると、単純にGoogle Optimizeの代替えで無料で使えるツールという意味でおすすめはOptimizeNextまたはVWOです。

VWOは2023年の1月にプレスリリースでGoogle Optimizeからの乗換無料プランを発表してくれており、Google Optimizeよりも昔からサービスがあるので信頼できます。サポートはインドですが、質問してもキチンと回答してくれます。

Optimize Nextは、Google OptimizeのUI、画面仕様を可能な限り残していますので、Google Optimizeに慣れたユーザーには有難いです。基本的にGoogle Optimizeでできたことは、そのまま実施可能だそうです。まだ使ってみてはいないですが、無料ですのでなんとか使いこなそうという気持ちになります。

Juicerは、基本機能がかなり多岐にわたり、単純なA/Bテストというよりもサイトを訪問するユーザー全体の分析ツールとして意味があります。これを機会に新しい分析ツールを使ってみたい企業様にはおすすめです。

皆様がサイトを調べる時間の短縮になれば幸いです。