突然ですが、香盤表という言葉をご存知でしょうか?
「こうばんひょう」と読みます
こちらのブログでは、この耳慣れない言葉「香盤表」という言葉の意味とその重要性についてお伝えしたいと思います。
- 香盤表とは
- 香盤表の由来
- 香盤表の重要性
香盤表とは
ずばり香盤表(こうばんひょう)とは、動画制作現場で使う進行管理表のことです。その日に撮影すべき対象と、シーンを網羅しているものです。
IT業界では「現調票」に相当します。「現調」とは「現場調整」「現場調査」等の略ですが、要は現地に通信機器等を据え付け・設置・テストをするときの時間単位のスケジュールとやるべき業務、設定値の変更をするのであれば設定値までこと細かく書き込んだ手順書のことです。
香盤表の由来
この進捗管理がなぜ、香りの盤なんていう奥ゆかしい名前が使われるようになったのかようになったのでしょうか。
私も調べてびっくりしました。
この言葉の由来なんですが、ウィキペディアによりますと、歌舞伎ですとか落語をそういった興行にもともと使われてた言葉が由来なんだそうです
当時歌舞伎や落語の出演演表の項目を管理するのに使われていた言葉ではないかと思われます。
要するに碁盤の細かい升目みたいなものです。当時、(いまでもあるのか?)香道で香盤というものがあり、それを歌舞伎や落語の世界の方から見て、お香の世界では芸事で近い世界ですのでその碁盤目のような出し物の管理表を、「香盤表」と言ったのが始まりと推測されます。
歌舞伎や落語の世界の管理表が、テレビの世界になってもそのまま現場の出演者の管理をするに使われるようになってきたというものです
テレビの世界の香盤表になりますと、出演者氏名や小道具など、どこのシーンで誰が出演するとかその撮影当日必要な情報をすべて盛り込む形で香盤表がつくられるようにになりました。
テレビの世界でCMを作ってた方がyoutube の動画制作もするようになっても、現場の撮影ではこの香盤表という言葉を引き続き使っているということです。
香盤表の重要性
香盤表がないとどうなるか。
今回私撮影現場に2回立ち会わせていただきましたが、大変勉強になりました。この香盤表がしっかりしてないと撮影時間がどんどん間延びしていきます。
間延びするとどうなるかというと、撮影が伸びる。するとモデル・撮影スタッフの拘束時間が全て伸びてしまいます。
時間が伸びるということは、これは直接コストに跳ね返ってきます。
香盤表というのは本当に動画でモデルさん入れて本格的に撮影をするのであれば絶対に欠かすことができない重要なものだと思います。
香盤表の作り方
では、この香盤表がどうやって作ればいいんだ?と思ってこれもあのグーグルで調べてみましたが、どうもこれと言って定まったフォーマットはなさそうでした。
ですけども今回体験させていただいて、最低限これぐらいの項目を入れた方がいいんじゃないのか、と思うのは以下の項目です。
- 撮影シーン
- 静止画を撮るのか動画を撮るのか、このシーンは何のシーンを整理するのかをまずきちんと整理しておくこと。
- 出演者
- このシーンにはどんなモデルさんが出るのか、サクラさんがいるのかなどの出演者の整理
- 小道具
- このシーンにどんな小道具がいるのか(机、白板、衣装等)
- 時間
- おおよそこの時間にはこれを撮影する、みたいな大雑把な時間の管理
モデルさんの居てくれる時間内にこれを収めなくてはなりません。
この時間管理をどうやってうまくするかというところなんですが、
IT業界の方が馴染み深いプロジェクトマネージメント(PM)という考え方がありますが、あのような形式でギッチギチに無駄を省いてやっていくとあまりうまくいかないんじゃないかなと思いました。
というのは撮影の現場は、かなり予想外の出来事が多いからです。
撮影現場の下見をしても、十分ではないことも多いです。
ですから、その場でトラブルが起きることは結構あります。
(例:外部テラスの撮影したかったが、テラスに出る鍵がない。窓が錆びてて開かない、小道具が足りない等)
このような現場のトラブルはかなりありますが、全てその場でその場で現場の知恵で解決しているわけです。(光の量が足りなければ、少し場所を移動する、小道具不足は、誰かがコンビニに走って行って購入するなど)
あまりにもキチンとした香盤表を組んでしまうとかえって撮影現場がうまくいかないんじゃないかなというのが、今回の経験からの感想です
まとめ
以上香盤表について、まとめてみました。大事なのは最低限の要素を抑えつつ、適度にゆるやかにタイムスケジュールを書いておくこと、そして何よりも重要なのは、タイムスケジュールを可能な限り事前に撮影チームと出演者・関係者に周知して、それぞれの役割を理解しておいてもらうことだと思います。