SEO対策をされている方へ、今回は2024年にGoogleが行った8月のアップデートについてお知らせします。
ご存知のとおり、Googleは毎年何度もアップデートを繰り返していますが、軽微なものから影響の大きなものまでいろいろです。
今回は特徴のあるアップデートなので、詳しいことを調べてみました。
8月のコアアップデートの概要
GoogleはAugust 2024 Core Updateと呼んでいます。
2024年8月16日から展開されたコアアップデートが20日後の9月4日に完了しました。
Blog:What to know about our August 2024core update
これで、かなりの変動が起きている模様です。
具体的な変更点
この英語ページをAIで翻訳したものを箇条書きにすると、
- この最新のアップデートは、過去数ヶ月間に一部のクリエイターなどから寄せられたフィードバックを考慮したものです。
- これまでと同様、私たちは、ユーザーの検索に関連する有益なオリジナルコンテンツを作成している小規模サイトや独立系サイトを含む、さまざまな質の高いサイトと人々を結びつけることを目指しています。
- これも、今後のアップデートで引き続き取り組んでいく分野です。
- 今回のアップデートはまた、サイトが行ったかもしれない改善をよりよく捕捉し、ウェブのベストを示し続けることができるようにすることも目的としています。
文字通り解釈すれば、オリジナルコンテンツを制作している、小規模なサイトや独立系サイトに有利ですし、更新が行われたサイトは、その更新を反映させると言っています。
アップデートの結果
では具体的にどのような変動が起きているのでしょうか。
業界別に具体的なサイトを調査した動画があります。
格安SIM、FX系のキーワードを調査したこちらのサイトによると、
長期間にわたって、独自コンテンツを運用している個人ブログや体験型サイトが急激に順位を上げて元に戻しています。
急激に順位を元に戻したこれらのサイトは、どちらも300~600記事であって、数万ページ以上の大規模サイトとは言えません。
- 特定のテーマ、キーワード、コンテンツに特化したサイト
- 独自コンテンツを持っているサイト
昨年のヘルプフルコンテンツアップデートで打撃を受けたサイトであっても、上記のようなサイトは、今回の8月アップデートで再評価され、掲載順位が元に戻る可能性が高いと言えるでしょう。
逆に8月アップデートで順位を下げたサイトは、ドメインの評価に依存したサイトで、企業ドメイン貸等で、ドメインとコンテンツの関連性が薄いサイトです。
ユーザーのフィードバックを考慮
「この最新のアップデートは、過去数ヶ月間に一部のクリエイターなどから寄せられたフィードバックを考慮したものです。」とGoogleは言っていますが、実際にクリエイターからのクレームをGoogleはヒアリングしたようです。
懐かし系のゲームのレビューやニュース、動画を提供するメディアサイト「RetroDodo(レトロドードー)」の創設者であるBrandonSaltalamacchia(ブランドン・サルタラマッキア)氏は、昨年2023年9月に、ロンドンのGoogle本社に招待されました。その際の様子を、サルタラマッキア氏は自身のブログにアップしています。

Brandon’s Blog:A Brief Meeting With Google After The Apocalypse
同氏の運営するサイトは昨年2023年のヘルプフルコンテンツアップデートで、大幅に掲載順位を下げられ、事業的にも大きな損失を出していました。
ほぼ約1年後に書かれたブログには、Googleロンドン本社でGoogle検索担当のダニー・サリバンと交わしたやりとりを要約して掲載しています。
「私のようなクリエイターは、信頼できるGoogle社員から、真のガイダンスと、心から信頼できる確かなアドバイスをただ求めているだけだ」と同氏は述べています。
作成されたコンテンツにまったく関心のない大手メディア複合企業によって所有されたサイトや、大量のAIによって生成されたゴミの山で、検索結果が埋め尽くされないためにはどうすべきか、という提案を彼はGoogleにしています。
Google側の悩みというのも伝わってきます。彼らもはやはりクリエイターを大切にしたいと考えており、クリエイターがGoogleから離れてしまい、コンテンツの制作を止めてしまうのを懸念しています。
Google検索担当のダニーサリバンの「私たちは完璧ではありません。そして、それを修正しようとしています」という言葉にサルタラマッキア氏も溜飲を下げた模様です。
Googleロンドン本社の様子等もわかり非常に面白いです。
昨年のヘルプフルコンテンツのアップデート後、大きく順位を下げたサイトが順位を元に戻しているというのは、こういったヒアリングを反映した結果なのかもしれません。
8月アップデート:まとめ
実感として、昨年の秋以降、検索結果に出てくるのが、大手サイトか大企業サイトばかりになってしまったという感覚をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
これはドメインの評価点を強めた結果ですが、今回の8月のアップデートでドメインに対する評価点を下げたということだと思います。
昨年のヘルプフルコンテンツアップデートで順位を大幅に下げたけれど、独自コンテンツを持ち、テーマ性の高いサイトについては、順位を戻しているようです。
ですから小規模サイトや独立性サイトであれば、何でもかんでも上位になるということでは決してありません。
あくまでも独自性があり、かつユーザーのためになるコンテンツを持っていることが重要なのだと思います。
今後の対応策
小規模サイトであってもコンテンツの内容、独自性を評価すると言っているGoogleの方針は今後とも変わらないと思います。数百ページしかなくとも、何かのテーマに関する特化型サイトには有利になる可能性があります
その際には、体験型、オリジナル記事であること、ユーザーの役に立つ内容であること、虚偽情報ではなく信頼性があることが重視されます。
検索でも初心者向けの内容、言葉の意味を問う内容、正解がほぼ決まっている物事、小中学生の夏休みの宿題等は、AIで代替えができます。
が、最新の業界情報、1つのテーマで深く掘り下げた内容や、まだ誰もデジタル化していない情報については、AIを使って調べても、まだ満足な回答は出てこないです。AIに訊ねたが、判らないので結局自分で検索して調べ直し、ということは多いです。
検索サービスのAIによる置き換えが起きると言われていますが、まだGoogelのシェアは落ちていません。
ですので、小規模であっても本当にユーザーの役にたつオリジナル記事・体験型コンテンツを網羅したブログは今後とも集客に有効だと思います。
[参考資料]Google、2024年8月のコアアップデート(August2024CoreUpdate)を展開開始。小規模サイト・独立系サイトも正当に評価